河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

7/27(土)13時30分 NHK文化センター京都 ショパン「マズルカ」Op.59全曲、「バラード第3番」等

アマデウスへの手紙・11

2006-10-18 01:42:08 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、こんにちは。

日曜日の小講演会でお話したことを少し書きます。

天才と凡人の違い、というわかりやすい例を、楽器を使って実演しました。
お話に先立ち、ロンドK.485 ニ長調の一部をまず弾いたので、そこからお話を進め、メロディと、和声のことをそれぞれ一つづつお話しました。
今日はメロディのことを。

(ややこしいので移動ドで書きます。)
ソーーーファミーレドーファーーレシーーー……というメロディは、クリスチャン・バッハからの借り物なのですね?
でも、そのあとのメロディ、「ラ シラソラ シ ド* * ソ ラ シラソラ シ ド* * ソ」の次の
「ソ (#)ファ (ナチュラル)ファ レ  ファ (#)レ ミ ド ミレドシラソ…」の、この「ファ (#)レ ミ ド」がすばらしい。

凡人なら、「ソ (#)ファ (ナチュラル)ファ レ 」(下降形)と来たら、「ファ ミ レ ド」(同じく下降形)とします。

天才はここで、二回同じことをするのを避ける。
避ける、というより、本能的にちょっとクリっとおしゃれする。

ファ から(#)レ へ一旦下がって(減3度!)、今度は半音上って ミ 。
そして3度下の ド 。

書くと実にわかりにくいのですが、実際に音に出すと、皆さん納得されたようでしたよ。

なんでもないようで、こういう所が天才、というより、モーツァルトさんの、個性というか気質なんでしょうね。少なくともベートーヴェンにはない。

同じことを繰り返すのが恥ずかしい、とか、どこかで遊ぶココロがあるというか。

誰も気づかなくても、そういう細部がたいせつ。
少なくとも私がそこを弾くときは、モーツァルトさんに心の中でウィンクしますからね。
見のがさないようにね。♪

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