河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

9/28(土)13時30分 NHK文化センター京都「マズルカ⑪」Op.63、バラード第1番他 

アマデウスへの手紙・12

2006-10-20 00:04:30 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、こんにちは。

このところ、秋晴れの日がつづいています。
今日も、ロンドK.485ニ長調の続きで、ハーモニーのことを一つ書きます。

楽譜を載せられない(私の技術不足のせいで)のが残念ですが、36小節目、イ長調のテーマになったところです。
(移動ドで)
ソーーー ファミー レドー ファーーレシーーー ファーーー ミレー ドシー ソーーミ #ドーーー
①ーーー ーーーー ーー ②ーーー ーーーー③ーーー ーーー ーーー ④ーーー ーーーー

①の和音は、主和音(Ⅰ)。
②と③は、属和音(Ⅴ)。
で、④は、減七。
この④の和音が伏線となり、次の、テーマの後半メロディが、ものすごい陰影を帯びるのです。

40小節目
レ ミレ#ド レ ミ ファーーシ ド レドシ ド レ ♭ミーー#ファ ソド・ミ ソファレシ
⑤ーーーー ・・・・⑥・・⑦ーーーー ・・・・・ ⑧ ーーー ⑨ーーー ⑩ー

⑤の和音は、ファ ラ。 ⑥は、ファ ♭ラ(翳る)。

で次の ⑦は、ミ ソ、と思うでしょ?
だって、バスが半音進行するはずだもんね、こういう時(ファ→ミ)。
翳った⑥の和音が、ここ⑦で、もとの調・ハ長調に戻るはず。

ところが!
この⑦は、♭ミ ソ なの。ミ に、♭が付くのです。
ハ短調になる!!

⑧は、そのノリで、♭ラ ド。
これもすごいけど、これは⑦のハ短調があれば、まあわかる。
(⑨はハ長調に戻ってⅠの46→⑩のⅤ=カデンツ)

私は、このたった1拍の、♭ミ ソ が凄いと思います(以上すべて移動ド……トホホ)。
鳴ってる秒数は、0.5秒くらい。
お休みが2拍あるから、和音の響きとしては1秒あまり残るはずだけど。

お日様に一瞬雲が走って、でも世界中の誰も気づかない。
葉っぱの上にいたちっちゃな虫だけがそれを見てた。
その虫は、でも、それを誰に言うでもなく、やがて葉っぱから飛び立って行く。
そのあと葉っぱがほんの少しだけゆれてる。
はじめと変わらないはずのお日様。

このロンド、10歳のころから数知れず弾いてるけど、数年前に弾いた時にもそんなこと気づかなかった。
そのちっちゃな虫は、その時からずっとそこにいたんですね。♪

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