河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

9/7(土)15時 京都府民ホール・アルティ シューマン「ピアノ三重奏曲第2番ヘ長調」Op.80 

ひらく和音・K.533 アマデウスへの手紙3-2

2008-03-03 01:36:51 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、こんにちは。

昨日書いた
K.533ヘ長調ソナタ第1楽章の和音について
もうちょっと書きます。

この #ファラドミ は、ハ長調の5度上のⅤ(ドッペルドミナント)だと
昨日は書いたけど、
実はそういう、突然の和音の発見ではなく、
モーツァルトさんはこの和音を
横の線の流れ(ポリフォニー)で
生み出したのですよね。

この #ファラドミ の一つ前の和音は ソドミ ですから

ミ → ミ
ド → ド
ソ → ラ
ソ → #ファ

というわけですね。

テノールの「ミ」はそのままキープ。
バリトンの「ド」も同じく。
バスの「ソ」は、二手に分かれた。
ソ→ラ という、長2度上昇と
ソ→#ファ という、短2度下降に。

特に、バスの「ソ→#ファ」という半音階が眼目ですね。

今日またこの部分を弾いていて
#ファラドミ を弾いたとき

なんとなく花びらを柔らかくほぐす感じ、
「啓(ひら)く」、あるいは「剖(ひら)く」
というような
ややエロティックな感覚を持ちました。

一つの「ソ」が
「ラ」と「#ファ」の二つに開くんですね。

モーツァルトさんは晩年
大バッハの作品を数多く知ったこともあり
ポリフォニック(対位法的)な作品をたくさん書かれました。

このヘ長調ソナタは特にそれが目立つみたいですね。

この第1楽章を練習しながら
私がしきりに思い出すのは
どんな曲だと思います?

つづきは、明日のお楽しみ。♪


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