河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

9/28(土)13時30分 NHK文化センター京都「マズルカ⑪」Op.63、バラード第1番他 

5人のチェロ

2007-12-17 23:42:04 | モーツァルト関連
「5人のチェロアンサンブル」の本番
15日土曜アルティ、16日日曜やまなみホールを
2日続けて聞く。
両日とも満員御礼。

本番あとの打ち上げ飲み会にも両日参加。
ちょっとしんどいわ(笑汗)。

上村昇、河野文昭、林裕、藤森亮一、上森祥平の5人のみなさん。

バッハ/ブランデンブルク協奏曲 第6番
オッフェンバッハ/ジャクリーヌの涙
バラキレフ/ロマンス
藤森亮一/組曲
ショスタコーヴィチ/24のプレリュードとフーガ より

というプログラム。

たいへん質の高い演奏で
とっても楽しかった。
それぞれの曲と、その演奏に関して
さまざまな感想をもつ。

飲み会では
チェリストの皆さんにホダされて
いらんことまで言うてしもた(汗)。

以下、冷静な報告。

バッハとショスタコは、編曲ものになるが
さすが、曲のデキがすばらしい。

チェロのみで演奏するバッハは、
聞いている方はほんとに楽しいけれど
実は、弾く方はタイヘンだとか…。
ときどきカタくなりかけるのを
曲の素晴らしさがカバーしてくれた?

ショスタコは、原曲はピアノソロの曲。
2曲のプレリュードとフーガと
1曲のプレリュードが演奏された。

特に最後の
「ニ短調のプレリュードとフーガ」は
圧倒的な音楽のテンションの高さと
その緊張感の連続の長さに
強い印象がのこった。

バッハとショスタコの間の曲、
オッフェンバッハとバラキレフは
それぞれロマンティックな小品。

休憩のあとに今回「初演」された
藤森クンの「組曲」。
いわゆる作曲家が作曲する曲ではないのが
かえって新鮮。

一曲目「プレチュール」(プレリュードのもじり)
二曲目「モシアン」(メシアンのもじり)
三曲目「チューダコダンス」。

ほんとはもっとたくさん作るはずが
時間切れで3曲になったとか。

「プレチュール」は
横に並んでいる5人の中で
真ん中の上村さんが長いバスの音を弾き、
両端の二人づつが
シンメトリカルに細かい音符を交互に弾く、
というステレオ効果的なもの。

5人のチェロ、という現場感覚が生んだ
おもしろい視点の曲だった。
どこか無機的なサイボーグ藤森(笑)の面目躍如。

「モシアン」は
私が最初に聞いた時は
ショスタコの音楽のように聞こえたけど
実はメシアンの「世の終わりのための四重奏曲」に
影響されたものだった。

藤森クンはショスタコのクヮルテットを
たしか多数弾いたはるので
どこかでショスタコっぽくなるのね。

いきなりドラマティックに始まるのが
印象的。
ぶあつい和音や
一定の歩みのリズムなど
すばらしい。

1曲目の
或る意味で無機的な曲に対して
対極にある。

3曲目は軽いもの。
この「チューダコ」で全曲で終わる、という
そのテレが良い。

でもせっかくのあの2曲目を生かすために
その前後に
あともう何曲か、ぜひ欲しい。

…打ち上げでは
5Vc.と1Pf.の6人ともがよく飲むので
ついついクイクイいってしまい、
いっぱいしゃべりました。

演奏会終わったあとに
あーでもないこーでもないって言うの
わたし大好きです。
歌会のあとの飲み会もいっしょですが。

5Vc.のオリジナルの曲はほとんどない
ということを考えつつ
今日ろくの散歩しながら思いついたのだけど

来年の「5人のチェロ」では
ぜひモーツァルトの「4手のためのソナタK.497 ヘ長調」を。

今年の7月に「モーツァルトに会いたい②」で弾いて
ホントに惚れた曲です。


なかなか素晴らしかった2日間でしたー。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする