河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

9/7(土)15時 京都府民ホール・アルティ シューマン「ピアノ三重奏曲第2番ヘ長調」Op.80 

第9のメロディの秘密

2007-11-23 01:42:48 | ベートーヴェン
昨日の「ヴァイオリンソナタ10番」のつづきですが。

ベートーヴェンのテーマのこだわり

①2度、3度、4度の組み合わせ
②その山型 or 谷型の音型

などについて。

昨日書いたあとに気づいたのは
上記のことプラス

③同音連打(たとえば「ソソソソ…」など)
も試してるってこと。

代表的なのは、もちろん
ピアノコンチェルト第4番ト長調
「シーー・シシシ シラララ…」
ですね。

今回のVn.ソナタ10番ト長調(おんなじ!)にも
同音連打頻出します。
「シーミレシー」→
この両端の「シーシー」から
「・ファファファファファ」(第26小節目)が生まれた。

ここを弾くたびに
ピアノコンチェルト4番思い出しました。

結局、気づいて調べてみると
ほとんどBさんの曲は
上記の①②③でできてる。

身近なところで
Op.90のピアノソナタ。
テーマは「ソッソーファミ・ラ」ですが

①「ソ(ファ)ミ」は3度
+「ミラ」は4度
②音型は谷型。 \/
③「ソッソ」が同音連打

他の曲にも一杯ありますが
とってもここでは書けません。

Vn.ソナタ10番の
感動的な第2楽章など、
やっぱり3度4度のことで一杯書くことあるけど
今日はそれを置いといて

いきなり究極の発見に行きます。

第9の「喜びの歌」。

コレって
究極の①②③なのですね。

このテーマ「ファファソラ ラソファミ」は

「ファ(ソ)ラ」3度…①
「ラ(ソファ)ミ」4度…①
「ファソラ」あるいは「ラソファミ」順次進行=2度…①
音型は山型。/\…②
冒頭「ファファ」同音連打…③

でしょ?

Bさんがしつっこく追ってきた
音の形や音の幅の問題を
一番シンプルに
一番素直に並べたのが
この「喜びの歌」のメロディだったのね。

一朝一夕にできたのではない、
何十年のこだわりの末に到達した
(思えば「作品1」の3つのピアノトリオからの長い年月でした)、
このシンプルな美しいメロディ。

私達はそんな苦労は知らないのだけど
このメロディにはとても魅せられる。

でもやっぱり
その無駄のない
でも充分に美しく
しかも万人に覚えやすいメロディ
っていうのは

何十年ってあいだの
ベートーヴェンさんのしつっこいこだわりが
神様の恩寵のように
ここで実を結んだのでしょうね。

ベートーヴェンさんって
やっぱ
異常。

何十年も
だれも気づかないような小さなことに
ずっとこだわり続けるなんて!

その異常さに
私は
心からの敬愛の気持ちを持ちつつ

その作品を演奏できる、ということ

そのことの
喜びとありがたさを
本当に心から感じます。
コメント
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