河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

9/7(土)15時 京都府民ホール・アルティ シューマン「ピアノ三重奏曲第2番ヘ長調」Op.80 

テンポ感が変わること

2007-03-24 02:50:43 | ショスタコヴィッチ
3月15日の日記に書いたこと。

ショスタコヴィッチの「チェロとピアノのためのソナタ」、自筆譜のテンポと、37年後に作曲者自身によって改定されたテンポが大幅に違う(速くなっている)ことに関して。

これ、わかるような気がするのです。

私自身、昔に弾いていた曲を、今もう一度弾いてみると、たいていテンポは速めになるのです。

なぜかというと、もちろん、指が早く動くようになった、というようなアホなお話ではありません。

昔より今の方が、ずっと見通しがきく、ということです。
最初の一音を弾く時に、最後の一音までよく見渡せる。
別の言い方すれば、音楽を大きく捉えることができるようになった。

昔は、1小節1小節一生懸命弾いてました。
今は、4小節ひとまとめ、みたいに感じられる。
あるいは8小節がひとつ。

初心者ドライバーは、ハンドルにしがみついて、目前に現れたモノにいちいちびっくりしてハンドルを切ったりします。

対してヴェテランドライバーは、たとえばS字カーブのとき、道が右にカーブしている時、ハンドルは、もう次のカーブに対応して左に切っているんですね。
視野が広くて遠い。
もちろん、目前もよく見える。
だから何があっても対応できる。

1曲弾く、ということは、ある道筋をドライブすることに喩えられるかも。

ショスタコさんは優秀なピアニストだったから、弾けば弾くほど、音楽を大きく捉えることができるようになった。
だから、若い頃書いた自分の音楽も、テンポを速めに弾きたくなったのでは?

コメント
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