チェロとピアノのためのソナタ、昨日の続き。
ショスタコの曲を練習していて気づいたこと。
ある声部(たとえばテノール=チェロ)が一音を伸ばしていて、あとの声部(ソプラノ=ピアノの右手と、バス=ピアノの左手)が動いている時、最初はすっごいヘンな音程(ぶつかりまくる音)の連続 → それが、何拍かあとに、突然きれいになる。
その伸ばしているチェロの音は、最初から最後まで(たとえば8拍の間)、全くおんなじ高さの音なのに、他の声部(ピアノの2声)の音によって、不協和の緊張ある音にもなるし、調和した美しい音にもなる。
たとえば、黄色という色は、バックが白だと、ほとんどインパクトない色だけど、バックが紺や黒だと、強烈な色になる、みたいな。
これって、どこかで知ってるよねー。
そう、バッハのフーガ。
フーガのテーマって、最初から最後まで、調性はいろいろ変わるけど、テーマのメロディはまったく同じ。
でも、他声部の動きによって、異なったハーモニーに彩られ、おんなじテーマなのに、ずいぶん違って感じられる。
プラス
おんなじテーマしか使ってないのに、その周りの音によって曲がすごい変化する!
で、最後に、冒頭のテーマとまったく同じ調性、同じ音高のテーマが出てきたときの驚きと感動。
つまり、この一定の時間を旅してきたテーマが、最後に、冒頭と全く同じものに回帰したとき、全く違ったものに感じられることの不思議さと素晴らしさ。
ショスタコのこのソナタの場合、バッハのフーガほど精緻にできているかどうかはまだわかりませんが。
そういえば、ショスタコって、24曲の前奏曲とフーガ(ピアノ曲)とか書いてましたね。
もちろん、バッハの平均律クラヴィア曲集を意識して。