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放送局型123号受信機(戦時型)#2号機 修理記録 その2(令和5年04月23日)

2023年04月25日 19時08分31秒 | 05真空管式ラジオ

放送局型123号受信機(戦時型)#2号機 修理記録 その2(令和5年04月23日) 
その2(令和5年04月23日) 部品交換などの修理及び動作確認等について

最初に改修後の配線図を以下に示します。

次に改修前の配線図を参考のために示します。(なお、ヒーター配線は上記のものとは異なりますが、ヒーターの配線自体の変更は行わないのでどちらの回路図でも問題はありません)

修理手順を下記に示します。
(修理上のチェックリストとして活用しています)
1.AC100Vの下方端子(12Y-V1のヒーターの端子)をシャーシに直接半田付けする。
2.AC100Vの上方端子と整流菅K2(カソード)の接続線を切断する。
更に、切断したAC100Vの上方端子と整流菅K2(カソード)間にC16(22μF)極性は+側をK2の向きで接続する。
3.R13平滑抵抗器(2KΩ)の両端をC15とC17(22μF)を交換し、-側はアース処理する。
4.R13平滑抵抗器(2KΩと12Y-V1のG2間のR4(30KΩ)にC14(4μF)を古いものと交換する。
5.12Y-R1と12Z-P1間のC11(0.05μF)とC10(100pF)を交換する。
6.12Z-P1のカソードのC13(10μF50V)を交換する。
7.12Y-V1と12Y-R1のC6、C7、C9(0.05μF)を交換する。
8.C12(12Z-P1のPとG2間)、アンテナのC1については、適宜不良と判断すれば交換とする。

修理前の裏面の現状

交換対象部品

修理後の裏面の状況

交換用の部品

試験用の環境整備
試験用スピーカーと電源コード(SWなし)を追加します。

真空管の事前確認
本体部の改修が完了したので、ここで使用する真空管のチェックに入ります。
本機の使用真空管は日本独自規格のため、米軍のTV-7では測定データがありません。
ANTIQUE JAPANESE RADIO/日本の古いラジオのホームページに、追補データと整理されていますので、これら真空管のテストが可能です。
TV-7/U* Supplemented Data/追補データ参照のこと
12Y-R1 12.6 FR0-2340 21 0 B 3 31
12Y-V1 12.6 FR0-2340 21 0 B 3 36
12Z-P1 12.6 GR4-2350 39 – B 3 40
24Z-K2 #1 25 GR0-5040 0 30 A 7 56
#2 25 GR0-2030 0 30 A 7 56

各真空管はTV-7により棄却値以上であることを確認します。
この状態で試験環境にて受信確認をして問題がないことを確認します。
3m程度の室内用ワイヤー・アンテナを接続し、再生バリコンを調整しながら安定した受信点を求めます。
高感度で多数の放送波をとらえることが確認できました。

特に問題が見られないことから、試験環境から本番環境にシステム変更します。
ここでいう本番環境とは、故障修理などのメインテナンスのため本体ケースに収容されている電源スイッチとスピーカーの接続を結合コネクター接続してメインテナンスの時には簡単に本体を脱着・分離するようにしたものです。

最後に裏蓋が欠損していることから、自宅にあった端材にて簡単な裏蓋を作成してすべての修復作業を終了とします。

正面のつまみがオリジナルではないのが不満ですが、これ以上対処することができません。
裏蓋は真空管の放熱のために適当な穴空けと同時に感電防止対策しても重要です。
なお、本体シャーシの側面部にはヒューズBoxがありますが安全対策用のヒューズホルダーはありません。
ラジオとして使用していなくても、コンセントに接続しているだけで、あたれば感電します。
このラジオは取扱を間違えると大変危険です。


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参考文献


広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/

 


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