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13号電探空中線の作業記録 その1(令和3年03年20日)空中線の製作の考え方

2021年03月20日 14時44分05秒 | 51電探試作計画

13号電探空中線の作業記録 その1(令和3年03年20日)空中線の製作の考え方

仮称3式1号電波探信儀3型(艦艇用)空中線取扱説明書に具体的なアンテナ構造が明示されています。
しかしながら、この実機と同じものを製作することはできませんから、アンテナ本体はハム用の144Mhz帯5エレメント八木アンテナを代替えとして購入するこことします。
ここでのポイントは、送受信共用の単一アンテナとして利用する仕組みをどう構築するかということです。

参考までに、この空中線を送受共用するためには、日本では放電管(TR管)が採用されています。
この放電管の使用についてのアイデアは、日本独自のものではなく、下記のフィリピン占領による陸軍兵技中尉友納典人等による分析により判明したものです。
無線と実験 昭和18年7月号 比島にて押収せる米軍・超短波警戒機の原理と構造 http://minouta17.livedoor.blog/archives/18022332.html
これを契機に陸海軍の電探に送受信共用の単一アンテナの実用化が進むこととなりました。

といいえ、当時の放電管を入手できませんので、今回は110Vのネオン管で代用するこことしますが、放電管を空中線の饋電線にどのように配置するかが問題となります。

このため、仮称3式1号電波探信儀3型(艦艇用)空中線取扱説明書の中から送受信共用接続に関するノウハウ部分を抽出します。
(七)受信機分枝回路⑤ヲ接続ス
本回路ノ饋電線分枝点⑥ヨリ放電管端子ニに至ル長サハ1/4λ×95%程度トシ導体直径4粍2線管23粍程度ヲ可トス。
茲(ここ)ニλハ波長(米)トス。
但シ放電管ヨリ受信機空中線端子ニ至ル受信饋電線ハ波動抵抗約230Ωノ2心入可撓(かとう)電線(※同軸ケーブルのことのようですが・・)若シクハ平行2線式饋電線トス。

(八)受信機分枝回路ノ分岐点⑥ハ送信機ノ饋電線結合「ループ」中点ヨリ距離1/4波長若シクハ其ノ奇数倍ニ等価ナルヲ要ス。
但シ、コノ等価長ハ閉電路及ビ饋電線接続端子等ノ影響ニ依リ1/4波長若シクハ其ノ奇数倍ニ相当スル実長ヨリ遥カニ短キヲ以テ次ニ述ベル方法ニ依リ分岐点ヲ調整ス。



一方、米国の実用レーダー工学(昭和31年3月発行)の関連項目を下記に示す。

日米での相違点
平行給電線に於ける電圧分布において、送信機用の給電線で最小電圧の箇所で受信機への接合点としそこから最大電圧の箇所のところで放電管を設置する必要があります。
そのためには、送信機の始端から饋電線への送信波の電圧分布は正弦波と考えるのか、それとも余弦波かということです。
日米どちらかが間違っているということなのでしょうか。

参考資料
こんなアンテナがあればFBなのですが・・・・
Yahooオークション オークションID:t780286353 NAGARA/ナガラ 144MHz 12ELEx2(スタック)x 2段 です。EME(月面反射通信)に建てたのですが


旧海軍の2式2号電波探信儀1型のアンテナを作った猛者もいます。
なんでも手作り工房  2式2号電波探信儀1型 に使われたアンテナの実験          http://www.ob3.aitai.ne.jp/~suz/21dentan.html

 

 

電探試作計画      http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書     https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

広島戦時通信技術資料館は下記のアドレスです。    http://minouta17.web.fc2.com/