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韜晦小僧のブログ 無線報国

真空管式ラジオ、軍用無線機やアマチュア無線機の修復の記録
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八重洲FT-400Sの修復作業記録 その4(令和4年08月31日)

2022年08月31日 15時10分01秒 | 07アマチュア無線機

八重洲FT-400Sの修復作業記録 その4(令和4年08月31日)
その4(令和4年08月31日) 受信部の真空管のチェック作業

一応、受信できる状態にはなりましたが、受信感度はかなり低く、実用には耐えれません。
このため、本格的に受信機の問題点を調査する手始めとして、正攻法として受信部の真空管のgmを真空管試験機で測定するこことします。
真空管の試験のため、V2の6BA6(第一局発部)を抜いてみると、6BE6が挿入してありました。
また、V203の6BE6(第二混合部)を抜いてみると、6BA6が挿入してありました。
どうも前所有者が保守点検等で間違えて真空管をテレコに挿入したようです。
とんでもない話なのですが、このテレコ状態で受信部が動作していたのにことにさらに驚く次第となりました。
1本ほど真空管のgmが棄却値以下なので新品と交換して作業終了としました。
試しに、この状態で動作確認すると受信部は格段の高性能の受信状態と示す結果となりました。
今まで、いろいろな無線機を購入して修復してきましたが、こんな状態のものは前代未聞です。


疑問点
真空管試験機による真空管の確認をしていると、V204の6BZ6(第一中間周波数増幅部)を抜いてみると、6BA6が挿入してありました。
これも前所有者によるミスかと思っていると、プリント基板にV204 6BA6の印字があったのでそのままとしておきました。
ただし、INSTRUCTION MANUALの回路図では、V204 6BZ6と印刷されているので、生産段階で6BZ6から6BA6に変更されたのだろう。


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参考文献
FT-400SユーザーマニュアルPDF版

https://drive.google.com/file/d/1SUGPZh-8eP70hTNBDhj14L5slYWt4vbB/view?usp=sharing

 


広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/

 


八重洲FT-400Sの修復作業記録 その3(令和4年08月30日)

2022年08月30日 13時43分42秒 | 07アマチュア無線機

八重洲FT-400Sの修復作業記録 その3(令和4年08月30日)
その3(令和4年08月30日) 故障探索調査と修復作業

久しぶりに安物のデジタルオシロを引っ張りだし、測定しようと思ったのですが、使用方法を忘れ一時戸惑いましたが、なんとか思い出し測定を開始しました。
ところが、今度はオシロの測定波形の歪みが大きく、オシロの故障かと思い、岩通の正規品のデジタルオシロと波形比較しても同様の歪みが発生し、あたまを抱える結果となりました。
それでは、今年断捨離した自衛隊の100Mhzオシロを手放すのではなかったと反省するも手遅れです。
そうこうしていると、高周波測定ではアースが必須であることを思い出し、やっと測定環境を整えることができました。
まず、VFOの発振を確認します。
目盛0で8.9Mhz、目盛500で8.4Mhzを発振しており、特に問題はありません。


次に、問題の第一局部発信部の測定を行います。
第一局部発信部は水晶発振子を使用しているのでマニュアルから発信発振周波数と測定発振周波数結果を下記に示します。
BANDスイッチ
Freq  仕様周波数   測定周波数
80m   9.22Mhz     ×
40m  12.72Mhz     ×
20m  19.72Mhz     ×
15m  26.72Mhz     ×
10A  33.72Mhz     ×
10B  34.22Mhz     ×
10C  34.72Mhz     9.219Mhz
10D  35.22Mhz    12.719Mhz
JJY
AUX1
AUX2
測定結果は最悪です。
特に、40m(7Mhz)が使用できないのはアマチュア無線機の受信機としては致命傷です。
しかも、この第一局部発信部は写真のようにとても狭隘な場所にあり、半田鏝も入りません。
この場所の修復にはバンド切替SW全体をはずさないと修理できません。
というよりも、八重洲はこの部分の故障は想定していないような作りのようです。
ここで、疑問が生じたのは、BANDスイッチの10Cは9.219Mhz、10Dは12.719Mhzを発振していますが、正規の周波数ではありません。
しかも、10Cでは3.5Mhz、10Dでは周波数は不明ながらアマチュア無線のモールス信号が受信できることに気づきました。
ここで、前所有者がBANDスイッチのツマミを180度反対に取付けた可能性が高いと判断すると、すべての故障なる現象が理解できます。
試しに、JJY、AUX1、AUX2を測定すると、20m、15m、10Aの発振周波数と一致します。
更に、問題をこじらせたのが、このBANDスイッチは機械的なストッパーがないため、右からでも左からでも何回転も連続して回転できることです。
勿論、前所有者から受信不能との引継ぎがあった先入観がありすぎ、とてもBANDスイッチのツマミの取付方法の誤りがあること自体想定できなかったことが問題の始まりでした。
とりあえず、とても修理とは言えませんがBANDスイッチのツマミの取付方法を正常の位置に戻して受信機としての機能回復です。
ただし、受信機としての感度はとても良好とはいえず、Sメーターも動作がおかしいようです。
今後、感度アップを検討するこことします。

 

疑問点
マニュアルでは、第一局発部の水晶発振子は、8個あるように記載されていますが、実装されている水晶発振子は見にくいのですが、6個しかありません。
回路図をみると水晶発振子は6個と記載されているので問題ないようですが、この差異については、マニュアルにはありません。
28Mhzについては、広帯域のため4分割されていまが、その上位バンドの2個しか水晶子を用意してなく、あとはオプションということなのかもしれません。


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参考文献
FT-400SユーザーマニュアルPDF版
https://drive.google.com/file/d/1SUGPZh-8eP70hTNBDhj14L5slYWt4vbB/view?usp=sharing


広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/

 


八重洲FT-400Sの修復作業記録 その2(令和4年08月28日)

2022年08月28日 15時56分18秒 | 07アマチュア無線機

八重洲FT-400Sの修復作業記録 その2(令和4年08月28日)
その2(令和4年08月28日) 修復のための準備と簡単な動作確認等の作業

本機は、2009年8月 22日にオークションで札幌の人から購入したものです。
機器の状態は、「商品の状態 ◇電源は入りますが、動作はしませんので、ジャンクで出品します」とのことで格安でした。
今年断捨離としてアマチュア無線機は不要なものは全て売却する予定でいましたが、購入して13年間放置しておき、挙句の果てに売却するのも芸がないので、状態を再確認するとともに不具合の修復も可能であれば実施したいと思い引っ張り出しました。

まずは、システム構成(周波数構成)の調査と回路図のコピーを用意します。
本機は典型的なコリンズタイプのダブルスーパーで第一局発が水晶発振子で第一中間周波数が5720から5220Khz、第二局発がトランジスターによるVFOで8900から8400Khzで第二中間周波数が3180Khzのシステム構成です。
とりあえず動作確認として、電源を起動するとホワイトノイズは受信できましたが、受信信号をとらえすることはできませんでした。
購入時に「電源は入りますが、動作はしません」とあったので当然のことでありますが・・・
簡単な確認試験として、SSGの信号を入力として、受信部の動作を確認すると3180Khzは受信できることから、第二中間周波増幅段以降には問題がありません。
更に、5720Khzの受信も問題がなかったので、VFOを含む第一中間周波増幅段以降も問題がないことを確認しました。
したがって、第一局発部もしくはその混合部に問題があることが想定されます。
これ以降は、本格的にオシロを使用して信号を追いかけることにします。


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参考文献
FT-400SユーザーマニュアルPDF版
https://drive.google.com/file/d/1SUGPZh-8eP70hTNBDhj14L5slYWt4vbB/view?usp=sharing


広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/


トリオ TS-500 SSBトランシーバーの保守点検作業 その1

2021年09月10日 16時02分52秒 | 07アマチュア無線機

トリオ TS-500 SSBトランシーバーの保守点検作業 その1
その1(令和3年09月10日)) 保守点検作業について

本機TS-500については、平成25年(2013年)8月26日に修復に着手し、平成26年(2014年)5月5日に作業完了しています。
トリオ製トランシーバTS-500の修理記録 http://minouta17.web.fc2.com/ham-TS-500.html

修復後は使用することもなく長期保管状態となっていました。
約3年前に起動確認した際、受信は問題なかったのですが、送信しようとすると送信管のIPが流れず、何か不具合があるようだったので、いつか修理しなければと思いつつ今日に至りました。
今回は送信側の修理も覚悟しつつ、7年ぶりの本格的な保守点検を実施しました。
点検にあたり、かなりのエージングに時間がかかりましたが、受信側も送信側も特に問題はありません。
ただし、バンドスイッチの接触不良があり、kure5-56の撒布を行っております。
やはり1年に一回は定期点検を実施する必要がありそうです。

 


広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/

 


50年前に完成の自作21McシングルバンドSSBトランシーバーの点検作業 その1

2021年09月04日 20時09分52秒 | 07アマチュア無線機

50年前に完成の自作21McシングルバンドSSBトランシーバーの点検作業 その1
その1(令和3年09月04日)現状確認と資料整理について

本トランシーバーの製作にあたっては、CQ誌(1967年10月号)の「特集あなたにできるSBトランシーバー」田村敏里JA1ALX著がベース資料です。
1967年といえば、昭和42年にあたりますが、製作に着手したのは高校を卒業したての昭和45年頃のこととおもいます。

表題のとおり「あなたにできる」とあることから無謀にも製作を着手しましたが、測定器といったらテスターしかありません。
組立てることはなんとかできましたが、調整の手段が全くありません。
これでは無線機としての機能は全く果たせません。
困っていると、クラブ局のY先輩が調整をかって出てくれて、なんとか動作することできるようになったという、実にほろ苦い思い出をいまでも鮮明に覚えております。
今日あらためて本機をみると、なんと高密度実装の配線をやったと感心する次第です。

約40年ぶりとなりますが、早速、電源系の安全確認をして、火を入れて動作確認してみると、受信側はなんとか動作しているようです。
送信側は、ダイナミックマイクが断線しており、当面この対策からスタートします。

 

 

広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/