実務家弁護士の法解釈のギモン

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金利スワップ取引は単純?(9)

2013-08-26 11:11:07 | 最新判例
 結局、市場取引が行われていないような訳の分からない金融取引は基本的には行うべきではないというのが、私の結論である。判旨にも疑問を持ちたい。独占禁止法の問題については優越的地位の濫用のみを問題とした法律上の問題点の提起の仕方も疑問である。
 もっとも、このブログで分かったようなことを言っているが、だからといって私なら問題点について裁判官を説得できるかといわれれば、全く自信がない。なぜなら、裁判所から経済合理性がないことを証明しろと言われれば、証明のしようがないからである。証明のできないような複雑な金融商品を勧めること自体に問題があると思うのだが、おそらく裁判所はそのようには考えてくれないだろう。ここが金融商品被害の難しいところなのである。

 複雑にすればするほど、世間や裁判所をごまかせる。これが法律家が見る複雑な金融商品の特徴なのである。
 何とも恐ろしい。