michi のひとりごと

日々のつぶやき、あれこれ。

老々介護8年。 100歳になった母を見送りました。
こちらは重度の難聴。

『バカの壁』を読み返して   〔本〕

2010-07-23 07:05:00 | Weblog
最近「電子書籍」が、よく話題にのぼり、なにかと便利そうですが、
私は今のところ「本」が好きですね。

自分の本棚(わずかなものですが)から
  今日は、どれ読みたいかナ、 
と選んで本を取り出すようなのが
心地よいのです。


そんな感じで
養老猛司さんの『バカの壁』を、
また読み返しました。


  これは、口述筆記ということもあって
  養老さんの口調や雰囲気が
  ありありと伝わってきます。


「まえがき」の最後に
『…だからそういう答えもあるのかと思っていただければ、それで著者としては幸福です。もちろん皆さんの答えがまた私の答えとは違ったものであることを期待しているのです。』とあり、
その方向性、大いに好感もてます。


自分のため記録しておきたいので、
3ヶ所ほど引用させてもらいますね。


         


『若い人への教育現場において、おまえの個性を伸ばせなんて馬鹿なことは言わない方がいい。それよりも親の気持が分かるか、友達の気持が分かるか、ホームレスの気持が分かるかというふうに話をもっていくほうが、余程まともな教育じゃないか。』


『「あんたの言ってることは100%正しいと思ってるでしょう。しかし人間、間違えるということを考慮に入れれば、自分が100%正しいと思っていたって50%は間違っている」ということです。
 バカの壁というのは、ある種、一元論に起因するという面があるわけです。バカにとっては、壁の内側だけが世界で、向こう側が見えない。向こう側が存在しているということすらわかっていなかったりする。』


そして最後にこう結ばれています。

『安易に「わかる」、「話せばわかる」、「絶対の真実がある」などと思ってしまう姿勢、そこから一元論に落ちていくのは、すぐです。一元論にはまれば、強固な壁の中に住むことになります。それは一見、楽なことです。しかし向こう側のこと、自分と違う立場のことは見えなくなる。当然、話は通じなくなるのです。』


         


――心しなければ、と改めて思いました。

コメント
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