michi のひとりごと

日々のつぶやき、あれこれ。

老々介護で 100歳になった母を見送りました。
こちらは重度の難聴。

牛たちの死    〔思い出〕

2010-05-21 08:48:53 | Weblog
このところニュースでは
『口蹄疫の拡大に歯止めがかからない』
などの見出し。

胸が痛みます。

『何万頭処分』と、ひと口で言っても、
その一頭一頭を、
農家の方々は慈しんで育ててこられたんですよね…。



私は、まだ若かった頃、
牛の飼育係をしていました。

たくさんの様々な体験をしたんですが、
たとえば、

和牛の観察などをしていた頃。

和牛って、真っ黒で、
一部屋に何十頭もいると、
全体が真っ黒いかたまりのようなんですよ。

それで、異常を見逃してしまうことがある。

朝、牛舎に行ってみると
お腹にガスが溜まって死んでいたり。。。

前日、お腹が膨らんでいた筈なのに、
私が見逃してしまった。

もう、自責の念で、たまらなかったですね…。



また、ある仔牛の場合は
生まれた時から身体が弱かった。

経営係の人に治療してほしいと頼んだけれど、
「アイツは、もう無理。ムダだ。」と
点滴してもらえない。。

仕方なく、
栄養剤入りのミルクを哺乳瓶(牛用の大きな)で
飲ませていました。

  牛って、ふつう、身体が弱っていることを
  人間に見せないんですよ。
  野生的なものがあるのでしょうね。
  「まだまだ元気だよ」って、シャンとして見せて、
  人間の姿が見えなくなると、
  うずくまったりするんです。

でも、その仔は、もう
そんな元気もなく、いつもグッタリしていました。

何日か、
私の膝の上に
その仔の首から頭を抱いた格好で
ミルクを飲ませようとするけれど、
次第に飲む元気もなくなり、
私の腕の中で、静かに息を引き取ってしまった。

私は、その仔を抱いたまま
号泣。。



  何十年経っても忘れられない体験です。

コメント
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