Reflections of Tomorrow

シンガーソングライターを中心に、知られざる未CD化レコードを紹介していくページです

Chris Mossler

2006-03-05 | SSW
■Chris Mossler / City Lites■

 このジャケットではなかなかジャケット買いができないですよね。 かなりのスワンプ好きか、マイナーブルース指向があるとか、そんなこだわりのある人にしか注目されないような、いなたいイラストではありますが、この Chris Mossler が1978年に発表したアルバムは、(おそらく彼の唯一の作品だと思いますが)中々の佳作だと思います。 僕はこのジャケットのせいで、レコードを手にしてから実際に聴くまでの間にかなりの月日を費やしてしまいました。
 1曲目の「City Lites」では、予想通りのスワンプ系のサウンドが展開されますが、軽快な「You Can Count On Me」に続き、若干ホンキートンク調の「Bluesy Suesey」と流れる展開は、ジャケットからくる予想を裏切ってくれます。さらに、ギターのみと思っていた Chris がピアノを弾き語る「Floydsville」や「Lewis」に至っては、まるで別人の SSW のようです。 
 よく見ると、Chris がギターを弾いているのは7曲中4曲で、残る3曲はピアノなんですよね。 こんな内容ならば、もっと違うジャケットにすれば良かったのに。
 B面は2曲しかありません。「Ambush」はこのアルバムの代表曲かもしれません。 テンポを変える柔軟なリズムセクションに軽いタッチの Chris のボーカルと女性バックコーラスが絡み、微熱から冷めたような浮遊感が漂います。 アルバムのラストは14分にも及ぶピアノ弾き語りのライブで終わります。 最後には観客の拍手と Chris の Thank You! という肉声が聴こえてきます。 このライブ録音は1978年なのですが、これ以外のスタジオレコーディングは全曲 1976年に行われています。 この年月の差にはどんな経緯があったのでしょうか。 この 2年間の空白は、このアルバムの謎のひとつでもありますし、Chris Mossler はきっとこのアルバムしか残さなかったのだろうと僕が推測する要因でもあります。 そんなChris Mossler ですが、この人もまたgoogleでもまったく検索されない unknown なミュージシャンなのです。
 クレジットの詳細はいつものように記載しますが、ジャケット裏面の Backdoor Records の Backdoor という文字だけが、群を抜いて馬鹿デカく表記されている点も通常のセンスではありません。 



■Chris Mossler / City Lites■

Side-1
City Lites
You Can Count On Me
Bluesey Suesey
Floydsville
Lewis

Side-2
Ambush
The Tale Of Irus Dante *

Chris Mossler : guitar,piano,vocals
Chuck Morrow : bass
Randy Cade : drums
Nick Flyman : piano
Joe Taylor : drums
Scott Stephanson : harmonica
John Stahailey : guitar , mandolin
Wink Tyler : guitar
Penny Ney , Liza Farrow , Denise Nichols : vocals

Recorded at Odessey Sound , Austin , Texas
Engineer : John Engles
* Recorded live at Spellmans, Austin , Texas

Backdoor Records L714P


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