■David Breece / Halfway Back To Eden■
メルヘンチックなイラストと決意を固めた表情との対比が印象的なジャケットに包まれたアルバムを取り上げてみました。 その主人公はオクラホマ州を拠点とする David Breece という無名のシンガーソングライター。 彼の詳しい経歴は不明ですが、1979 年に発表されたこのアルバムは、独特の甘みが印象に残るドリーミーな作品です。
作品のベースは David Breece 自身が弾くアコースティック・ギターとボーカルにあるのですが、ほぼ全曲に渡ってスタジオ専属のストリングスが奥行きを与えるように薄く挿入されています。 それはプロデューサーでもありアレンジも行うJim Rhodes という人物の影響と思われますが、アルバムのサウンドコンセプトの確立に大きく貢献していると思います。
楽曲のタイトルからは、どことなく少女趣味的な傾向を感じますが、それは考えすぎかもしれません。 どの楽曲もミディアムで似たテンポ感なので、単調に陥りがちですが、このアルバムはメロディーの良さがレベルを超えているうえに、アルバム通して30分くらしかないので、退屈に感じることはありません。 艶のあるギターのアルペジオで「Ivy」がスタートします。 サビの部分からベースとストリングスが差し込んできて、親しみやすいサビのメロディーと絡み合うあたりが印象的な名曲です。 この 1 曲でアルバムへの期待と充足を感じることが出来ます。 つづく「Angelical Girls」はさらにドリーミーな楽曲。 疾走感のあるストリングスが耳に残ります。 草原を駆け抜けるかのようなフォークロック「Halfway Back To Eden」を挟んで、マリンバの響きに導かれた「Where Happiness Waits」へ。 可愛らしいタイトルですが、この曲とつづく「Windlake Lady」は波の音で結びついています。 「Windlake Lady」はギターとストリングス、そしてリコーダーによるシンプルな編成ですが、ボーカルが裏声になるサビの部分が素晴らしい仕上がりです。
B 面は 4 曲で 13 分くらいしかありません。 「City Girl」はシングルカットできそうな楽曲ですが、このアルバムでは最も古く1974 年に作曲されたものでした。 David Breece がこのアルバムを制作するまでかなり苦労してきたことが伺えます。 つづく「The Farmer’s Daughter」もストリングスの響きが感動的、「Rosey Bell」はややカントリーに近い作風ですが、ハーモニカとストリングスがいい具合の郷愁を描き出しています。 ラストの「Phantom Revelation」は他の楽曲にはない翳りを感じる曲。 この曲だけミックスが違うことも影響しているかもしれません。
このブログを書くにあたり、アルバムを 2 回連続で聴きましたが、聴くたびに好感度が増してくる作品でした。 それは、一度聴いたら忘れられないようなメロディーやアレンジが随所に散りばめられているからです。 広大なアメリカには、こうしたポップセンスをもった SSW が至る所にいるのかもしれません。 そのなかにはレコードを残すことすら出来なかった人もいるでしょう。 幸い、David Breece はマイナープレスながらも、彼の足跡を残すことができました。 しかしながら、これが彼の唯一の作品となってしまった可能性が高いようです。
■David Breece / Halfway Back To Eden■
Side 1
Ivy
Angelical Girls
Halfway Back To Eden
Where Happiness Waits
Windlake Lady
Side 2
City Girl
The Farmer’s Daughter
Rosey Bell
Phantom Revelation
Co-produced by Jim Rhodes & Tom Claiborne
Orchestrations by Jim Rhodes
Recorded at Tulsa Studios, Tulsa, Oklahoma
All words and music by David Breece
Don Shipps : bass
Lloyd Hicks : drums
David Breece, Don Juntenun : guitars
Dee Angel : oboe
The Tulsa Studio Strings : strings
David Dixon : alto and tenor recorders
Tom Clainorne : marimba
Hi Spot Records TRS 79-331
メルヘンチックなイラストと決意を固めた表情との対比が印象的なジャケットに包まれたアルバムを取り上げてみました。 その主人公はオクラホマ州を拠点とする David Breece という無名のシンガーソングライター。 彼の詳しい経歴は不明ですが、1979 年に発表されたこのアルバムは、独特の甘みが印象に残るドリーミーな作品です。
作品のベースは David Breece 自身が弾くアコースティック・ギターとボーカルにあるのですが、ほぼ全曲に渡ってスタジオ専属のストリングスが奥行きを与えるように薄く挿入されています。 それはプロデューサーでもありアレンジも行うJim Rhodes という人物の影響と思われますが、アルバムのサウンドコンセプトの確立に大きく貢献していると思います。
楽曲のタイトルからは、どことなく少女趣味的な傾向を感じますが、それは考えすぎかもしれません。 どの楽曲もミディアムで似たテンポ感なので、単調に陥りがちですが、このアルバムはメロディーの良さがレベルを超えているうえに、アルバム通して30分くらしかないので、退屈に感じることはありません。 艶のあるギターのアルペジオで「Ivy」がスタートします。 サビの部分からベースとストリングスが差し込んできて、親しみやすいサビのメロディーと絡み合うあたりが印象的な名曲です。 この 1 曲でアルバムへの期待と充足を感じることが出来ます。 つづく「Angelical Girls」はさらにドリーミーな楽曲。 疾走感のあるストリングスが耳に残ります。 草原を駆け抜けるかのようなフォークロック「Halfway Back To Eden」を挟んで、マリンバの響きに導かれた「Where Happiness Waits」へ。 可愛らしいタイトルですが、この曲とつづく「Windlake Lady」は波の音で結びついています。 「Windlake Lady」はギターとストリングス、そしてリコーダーによるシンプルな編成ですが、ボーカルが裏声になるサビの部分が素晴らしい仕上がりです。
B 面は 4 曲で 13 分くらいしかありません。 「City Girl」はシングルカットできそうな楽曲ですが、このアルバムでは最も古く1974 年に作曲されたものでした。 David Breece がこのアルバムを制作するまでかなり苦労してきたことが伺えます。 つづく「The Farmer’s Daughter」もストリングスの響きが感動的、「Rosey Bell」はややカントリーに近い作風ですが、ハーモニカとストリングスがいい具合の郷愁を描き出しています。 ラストの「Phantom Revelation」は他の楽曲にはない翳りを感じる曲。 この曲だけミックスが違うことも影響しているかもしれません。
このブログを書くにあたり、アルバムを 2 回連続で聴きましたが、聴くたびに好感度が増してくる作品でした。 それは、一度聴いたら忘れられないようなメロディーやアレンジが随所に散りばめられているからです。 広大なアメリカには、こうしたポップセンスをもった SSW が至る所にいるのかもしれません。 そのなかにはレコードを残すことすら出来なかった人もいるでしょう。 幸い、David Breece はマイナープレスながらも、彼の足跡を残すことができました。 しかしながら、これが彼の唯一の作品となってしまった可能性が高いようです。
■David Breece / Halfway Back To Eden■
Side 1
Ivy
Angelical Girls
Halfway Back To Eden
Where Happiness Waits
Windlake Lady
Side 2
City Girl
The Farmer’s Daughter
Rosey Bell
Phantom Revelation
Co-produced by Jim Rhodes & Tom Claiborne
Orchestrations by Jim Rhodes
Recorded at Tulsa Studios, Tulsa, Oklahoma
All words and music by David Breece
Don Shipps : bass
Lloyd Hicks : drums
David Breece, Don Juntenun : guitars
Dee Angel : oboe
The Tulsa Studio Strings : strings
David Dixon : alto and tenor recorders
Tom Clainorne : marimba
Hi Spot Records TRS 79-331
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