■Stephen Ambrose / Gypsy Moth■
Stephen Ambrose が 1972 年に残した唯一の作品。 世の中にシンガーソングライターが雨後の筍のように登場してきた1970年代前半には、運よくヒットに恵まれたミュージシャンもいれば、わずか 1枚でシーンから消えてしまった人もいます。 Stephen Ambrose はもちろん、後者の例。 Stephen とか、Steve という名前は特にそうしたミュージシャンが多いように感じるのは偶然でしょうか。 Stephen Cohnや Steve Ferguson 、Stephen Sinclair(彼は2枚残しましたが)など、どうも短命系が多いように感じます。
さて、この作品は繊細でかつメロウなサウンドが全編を貫いており、Stephen Ambrose の甘めの声質もあり、この手のファンには人気の高い作品ではないでしょうか。 アレンジを手がけた Don Gallucci の貢献も大きいとは思いますが、Stephen Ambrose のメロディと堅実なバックの演奏がアルバムの質を高めているように感じます。
1曲目の「Friend」は、アコギ主体のメロウ・チューンですが、早すぎたプレ AORとさえ思ってしまうセンスを感じます。 David Gates や Stephen Bishop に近いものを感じることから、Stephen Ambrose の登場は時代よりも早すぎたのかと考えてしまいます。 「Somebody Walks Beside Me」「Mary」とギター中心の曲に続く「Gypsy Moth」はピアノ系の楽曲。 次第にメロトロンに似たストリングスが入ってきて、映画のサントラ楽曲かのように展開する様はかなりの出来ですね。
B面は、Doug Van Arsdale なる人物の作曲による「Tumbleweed」でスタート。 この曲はゆったりしたワルツ。 3曲目の「Mornin’ Sun」は、Carla Bonoff の作品です。 表記は Carla となっていますが、もちろん Karla Bonoff のことです。 そういえば、彼女が 197 0年頃に結成していた Bryndle (ブリンドル)の 4人のうち、Kenny Edwards と Andrew Gold がこのアルバムには参加しています。 同じ西海岸のミュージシャンですし、かなり近い関係があったのでしょう。 もし、Karla Bonoff がバックコーラスで参加していたら、このアルバムももう少し有名になっていたのかな? ラストの「Sweet Turnstyle Blues」は、Don Gallucci との共作ということもあり、しなやかなリズムとエレピのアレンジが洒落ていてセンスの良さを感じます。
久しぶりにこのアルバムを聴いて、そのクオリティの高さを再認識する一方で、やはり感じてしまうのが決定力不足です。 まるでサッカーみたいな表現ですが、もっとユニークな個性とメリハリの利いた編成などがあれば、さらにいいアルバムに仕上がったのではないでしょうか。
さて、「Gypsy Moth」とは、マイマイガという蛾のことを指すようですが、二つ目の意味としては、「民主党に同調して票を入れる北部諸州出身の共和党議員」というものがありました。 Stephen Ambrose からは、政治色はあまり感じないので、おそらくマイマイガという意味で使用されたものでしょう。
民主党といえば、今回の全米中間選挙で民主党が勝利しました。 その民主党から立候補して見事に当選した人物のひとりに、あの Orleans の John Hall がいます。 そのことはあまりメディアに取り上げられていませんが、1980 年代に No Nukes コンサートを主催するなどの活動をしていたことを考えると、立候補した事は不思議ではありません。 僅差ながらも見事に当選ということで、彼の今後の活動のメインは音楽ではなく政治活動になるのでしょう。
Stephen Ambrose とは関係ないネタで締めくくってしまいましたが、今日の主人公のその後の足取りはつかめませんでした。 おそらく、音楽シーンから遠ざかってしまったのでしょう。
■Stephen Ambrose / Gypsy Moth■
Side-1
Friend
Somebody Walks Beside Me
Mary
Gypsy Moth
Answer In The Rain
Side-2
Tumbleweed
Caroline
Mornin’ Sun
Safely Home Like A River
Sweet Turnstyle Blues
Produced and Arranged by Don Gallucci
Except ‘Answer In The Rain’ and ‘Safely Home Like A River’ by Larry Murray
Executive Producer : Ken Mansfield
All Songs written by Stephen Ambrose
Except ‘Tumbleweed’ by Doug Van Arsdale , ‘Mornin’ Sun’ by Carla Bonoff , ‘Safely Home Like A River’ by David Powell
Acoustic Guitar : Stephen Ambrose , Fred Carter Jr. , David Powell
Acoustic and Electric Guitar : Andrew Gold
Steel Guitar : Ed abner , Weldon Myrick
Keyboards : Don Gallucci , Bee Bee Cruiser , David Powell
Bass : Kenny Edwards . Steve Schaffer
Drums and Percussions : Gene Farfin , Jerry Carrigan
Mandolin and Harmonica : Kenny Edwards
Strings and Flutes : Manna
Background Vocals : Dann Lottermoser , Gail Heiderman , Don Dunn , Danny Guy , Tom Guy
Barnaby Records BR-15003
Stephen Ambrose が 1972 年に残した唯一の作品。 世の中にシンガーソングライターが雨後の筍のように登場してきた1970年代前半には、運よくヒットに恵まれたミュージシャンもいれば、わずか 1枚でシーンから消えてしまった人もいます。 Stephen Ambrose はもちろん、後者の例。 Stephen とか、Steve という名前は特にそうしたミュージシャンが多いように感じるのは偶然でしょうか。 Stephen Cohnや Steve Ferguson 、Stephen Sinclair(彼は2枚残しましたが)など、どうも短命系が多いように感じます。
さて、この作品は繊細でかつメロウなサウンドが全編を貫いており、Stephen Ambrose の甘めの声質もあり、この手のファンには人気の高い作品ではないでしょうか。 アレンジを手がけた Don Gallucci の貢献も大きいとは思いますが、Stephen Ambrose のメロディと堅実なバックの演奏がアルバムの質を高めているように感じます。
1曲目の「Friend」は、アコギ主体のメロウ・チューンですが、早すぎたプレ AORとさえ思ってしまうセンスを感じます。 David Gates や Stephen Bishop に近いものを感じることから、Stephen Ambrose の登場は時代よりも早すぎたのかと考えてしまいます。 「Somebody Walks Beside Me」「Mary」とギター中心の曲に続く「Gypsy Moth」はピアノ系の楽曲。 次第にメロトロンに似たストリングスが入ってきて、映画のサントラ楽曲かのように展開する様はかなりの出来ですね。
B面は、Doug Van Arsdale なる人物の作曲による「Tumbleweed」でスタート。 この曲はゆったりしたワルツ。 3曲目の「Mornin’ Sun」は、Carla Bonoff の作品です。 表記は Carla となっていますが、もちろん Karla Bonoff のことです。 そういえば、彼女が 197 0年頃に結成していた Bryndle (ブリンドル)の 4人のうち、Kenny Edwards と Andrew Gold がこのアルバムには参加しています。 同じ西海岸のミュージシャンですし、かなり近い関係があったのでしょう。 もし、Karla Bonoff がバックコーラスで参加していたら、このアルバムももう少し有名になっていたのかな? ラストの「Sweet Turnstyle Blues」は、Don Gallucci との共作ということもあり、しなやかなリズムとエレピのアレンジが洒落ていてセンスの良さを感じます。
久しぶりにこのアルバムを聴いて、そのクオリティの高さを再認識する一方で、やはり感じてしまうのが決定力不足です。 まるでサッカーみたいな表現ですが、もっとユニークな個性とメリハリの利いた編成などがあれば、さらにいいアルバムに仕上がったのではないでしょうか。
さて、「Gypsy Moth」とは、マイマイガという蛾のことを指すようですが、二つ目の意味としては、「民主党に同調して票を入れる北部諸州出身の共和党議員」というものがありました。 Stephen Ambrose からは、政治色はあまり感じないので、おそらくマイマイガという意味で使用されたものでしょう。
民主党といえば、今回の全米中間選挙で民主党が勝利しました。 その民主党から立候補して見事に当選した人物のひとりに、あの Orleans の John Hall がいます。 そのことはあまりメディアに取り上げられていませんが、1980 年代に No Nukes コンサートを主催するなどの活動をしていたことを考えると、立候補した事は不思議ではありません。 僅差ながらも見事に当選ということで、彼の今後の活動のメインは音楽ではなく政治活動になるのでしょう。
Stephen Ambrose とは関係ないネタで締めくくってしまいましたが、今日の主人公のその後の足取りはつかめませんでした。 おそらく、音楽シーンから遠ざかってしまったのでしょう。
■Stephen Ambrose / Gypsy Moth■
Side-1
Friend
Somebody Walks Beside Me
Mary
Gypsy Moth
Answer In The Rain
Side-2
Tumbleweed
Caroline
Mornin’ Sun
Safely Home Like A River
Sweet Turnstyle Blues
Produced and Arranged by Don Gallucci
Except ‘Answer In The Rain’ and ‘Safely Home Like A River’ by Larry Murray
Executive Producer : Ken Mansfield
All Songs written by Stephen Ambrose
Except ‘Tumbleweed’ by Doug Van Arsdale , ‘Mornin’ Sun’ by Carla Bonoff , ‘Safely Home Like A River’ by David Powell
Acoustic Guitar : Stephen Ambrose , Fred Carter Jr. , David Powell
Acoustic and Electric Guitar : Andrew Gold
Steel Guitar : Ed abner , Weldon Myrick
Keyboards : Don Gallucci , Bee Bee Cruiser , David Powell
Bass : Kenny Edwards . Steve Schaffer
Drums and Percussions : Gene Farfin , Jerry Carrigan
Mandolin and Harmonica : Kenny Edwards
Strings and Flutes : Manna
Background Vocals : Dann Lottermoser , Gail Heiderman , Don Dunn , Danny Guy , Tom Guy
Barnaby Records BR-15003
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