■George Casey / Any Dream Will Do■
このアルバムはアイルランドでレコーディングされながらも、本人が何らかの理由でシカゴにやってきたことが原因で、シカゴのレーベルからリリースされました。 裏ジャケットには、Bill Carson という人物による短めのライナーがあり、そのようなことが書かれているものの、それ以上のことには言及されていません。 そうそう、このアルバムが Geroge Casey のファースト・アルバムだとは書かれていましたが。
そんなこともあって、このアルバムの発表された年度はおろか、収録曲の作詞・作曲者、レコーディング・メンバーといった情報すら明記されていないのです。 もし、それが分かったとしても物事が大きく展開するわけでもないですが。 というのも、おそらくほとんどの曲がトラッドなのです。
さて、このアルバムの最大の注目は、A 面ラストに収録された名曲「Teddy O’Neill」の存在です。 この曲は、De Danann の名盤「Ballroom」で初めて知った名バラード。 De Danann では、Dolores Keane の清楚なボーカルに心が洗われますが、George Casey によるバージョンは、手触り感のある朴訥としたものになっています。 曲がいいだけに、どんなバージョンも許容できるのですが、このようなフォーキーなバージョンは初めて聴きました。
アルバム曲をいくつかピックアップしてみましょう。 アルバムタイトル曲「Any Dream Will Do」は、霧のような女性コーラスに導かれ、寄り添いながら展開する素朴な曲。 ネットで調べたところ、いまもアイルランドで現役で活動するシンガーTony Kelly による楽曲でした。 「Town I Love So Well」は、The Dubliners のバージョンで有名な曲のようです。
B 面の「Mountains Of Mourne」は、Teddy O’Neill とほぼ同じコード展開のワルツ。 この曲も多くの人に愛されているスタンドダードのようです。 淡々としながらも聴き応え十分です。 アルバムラストの「Where My Eileen Is Waiting For Me」と「Irish Colleen」も同じようなワルツです。
こうしたこれといって特筆すべき点のないアルバムが、どのようにしてシカゴからリリースされることになったのでしょう。 レコード会社の戦略として、故郷を懐かしむアイルランド系の移民をターゲットとしたマーケティングがあったとはとても思えません。 むしろ、Geoger Casey 自身が、故郷アイルランドでのリリースを止めて、意図的に大西洋を渡ってリリース元を探し、その結果、Crescent という超マイナーレーベルが契約したというほうが真実に近いのでしょう。 ジャケットがイリノイ州で撮影されていることからも、そんな気がします。
アルバムを手にしたときには、シンプルな SSW にありがちな「小道系ジャケット」の 1 枚として考えていたのですが…
「Any Dream Will Do」とは「どんな夢もかなう」……きっとそういう意味なのでしょう。 はたして George Casey の夢はかなったのでしょうか。
■George Casey / Any Dream Will Do■
Side-1
Any Dream Will Do
Peace On Erins Green Shore
Bunclody
Town I Love So Well
Teddy O’Neill
Side-2
All Kinds Of Everything
Many Young Men Of Twenty
Mountains Of Mourne
Where My Eileen Is Waiting For Me
Irish Colleen
Recorded at Crescent recording Studio , Limerick , Ireland
Photos by Ebert Studios , Oak Park , Illinois
Crescent Records CRES-7501
このアルバムはアイルランドでレコーディングされながらも、本人が何らかの理由でシカゴにやってきたことが原因で、シカゴのレーベルからリリースされました。 裏ジャケットには、Bill Carson という人物による短めのライナーがあり、そのようなことが書かれているものの、それ以上のことには言及されていません。 そうそう、このアルバムが Geroge Casey のファースト・アルバムだとは書かれていましたが。
そんなこともあって、このアルバムの発表された年度はおろか、収録曲の作詞・作曲者、レコーディング・メンバーといった情報すら明記されていないのです。 もし、それが分かったとしても物事が大きく展開するわけでもないですが。 というのも、おそらくほとんどの曲がトラッドなのです。
さて、このアルバムの最大の注目は、A 面ラストに収録された名曲「Teddy O’Neill」の存在です。 この曲は、De Danann の名盤「Ballroom」で初めて知った名バラード。 De Danann では、Dolores Keane の清楚なボーカルに心が洗われますが、George Casey によるバージョンは、手触り感のある朴訥としたものになっています。 曲がいいだけに、どんなバージョンも許容できるのですが、このようなフォーキーなバージョンは初めて聴きました。
アルバム曲をいくつかピックアップしてみましょう。 アルバムタイトル曲「Any Dream Will Do」は、霧のような女性コーラスに導かれ、寄り添いながら展開する素朴な曲。 ネットで調べたところ、いまもアイルランドで現役で活動するシンガーTony Kelly による楽曲でした。 「Town I Love So Well」は、The Dubliners のバージョンで有名な曲のようです。
B 面の「Mountains Of Mourne」は、Teddy O’Neill とほぼ同じコード展開のワルツ。 この曲も多くの人に愛されているスタンドダードのようです。 淡々としながらも聴き応え十分です。 アルバムラストの「Where My Eileen Is Waiting For Me」と「Irish Colleen」も同じようなワルツです。
こうしたこれといって特筆すべき点のないアルバムが、どのようにしてシカゴからリリースされることになったのでしょう。 レコード会社の戦略として、故郷を懐かしむアイルランド系の移民をターゲットとしたマーケティングがあったとはとても思えません。 むしろ、Geoger Casey 自身が、故郷アイルランドでのリリースを止めて、意図的に大西洋を渡ってリリース元を探し、その結果、Crescent という超マイナーレーベルが契約したというほうが真実に近いのでしょう。 ジャケットがイリノイ州で撮影されていることからも、そんな気がします。
アルバムを手にしたときには、シンプルな SSW にありがちな「小道系ジャケット」の 1 枚として考えていたのですが…
「Any Dream Will Do」とは「どんな夢もかなう」……きっとそういう意味なのでしょう。 はたして George Casey の夢はかなったのでしょうか。
■George Casey / Any Dream Will Do■
Side-1
Any Dream Will Do
Peace On Erins Green Shore
Bunclody
Town I Love So Well
Teddy O’Neill
Side-2
All Kinds Of Everything
Many Young Men Of Twenty
Mountains Of Mourne
Where My Eileen Is Waiting For Me
Irish Colleen
Recorded at Crescent recording Studio , Limerick , Ireland
Photos by Ebert Studios , Oak Park , Illinois
Crescent Records CRES-7501