■Lydell / Wake Up Suddenly■
前回に続いて、クリスチャン・ミュージックのアルバムを取り上げます。 今日の主人公の Lydell は作詞・作曲をいっさい行わないので、SSW とはいえません。 そこで、今日から Christian Music というジャンルを追加することにしました。 CCM (Contemporary Christian Music) にすると、1980 年代以降の AOR 風のサウンドをイメージしてしまうので、逢えてこのような表記にします。 それに伴って、過去に取り上げたアルバムもいくつか、このジャンルに登録変更を行っておきました。
さて、今日ご紹介するアルバムは、Lydell (本名は Lydell Feist )の 1976 年の作品。 おそらくはデビュー作だと思われます。 針葉樹の森の中に、映し出された Lydell の表情から推測するに、年齢はすでに 40 歳を超えているのではないかと思いますが、そんな Lydell の心温まるボーカルが全編にあふれるアルバムとなっています。 一部のアップテンポやカントリータッチの曲を除けば、ミディアムスロウで洗練され、品のいいサウンドが展開されています。
なかでも、珠玉の名曲「On The Bank Of Lake Superior」がオープニングに控えており、そのことだけで名盤と躊躇なく呼びたくなります。 五大湖で最も大きな湖、スペリオル湖の湖畔にて、というタイトルも素敵ですが、この曲は素晴らしい音楽が時折垣間見せる奇跡ともいえる完成度です。 ジェントルで上品なメロディー、セルフコーラスのユニゾンとなる美しいサビ、シルクのようなストリングス、「Superior」を「♪すぺらいおーる♪」と優雅に発音するラスト…ついつい何度も繰り返して聴いてしまうこのような曲と出会った時こそ、レコード蒐集冥利につきる瞬間だと思います。
他にも名曲が目白押しです。 今どきのカフェでかかっていそうなボサノバタッチの「Michelangero」や、美しいバラード「Just Believe」、「Small Girl」などが A 面では光ります。
B 面も充実しており、とくに「God , A Woman & A Man」、「Cross Out No」、「Wake Up Suddenly」がお薦めです。 「God , A Woman & A Man」はピアノやストリングスを背景に、Lydell の繊細なボーカルが堪能でき、アルバムタイトルでもある「Wake Up Suddenly」はラストにふさわしい余韻を残してくれます。
このように、このアルバムの魅力は Lydell の美声、美しいアレンジ、そしてクオリティの高い楽曲のトライアングルが高い打点で結びついているところなのですが、肝心のソングライターについて触れてきたいと思います。 名曲「On The Bank Of Lake Superior」、「Jesus Took My Troubles Away」、「Just Believe」、「There’s More To Jesus」の 4 曲が Steve Keck なる人物のペンによるもの。 残念ながら、この人物については情報を得ることができませんでした。 「Michelangero」と「Wake Up Suddenly」が、John Cowan によるもの。 彼もどのような人物なのか不明です。 これ以外の作曲者も、聞いたことのない人物ばかりなのですが、このような優れたソングライターが埋もれているというのもクリスチャン・ミュージックというジャンルの底の深さなのでしょう。
気がつけば 2月も下旬。 日差しは伸び、春の足音が次第に聞こえてくる季節。 そんな静かな夜に、Lydell のレコードを聴くひとときは僕にとって最高の癒しなのです。
■Lydell / Wake Up Suddenly■
Side-1
On The Bank Of Lake Superior
Michelangero
Jesus Took My Troubles Away
Just Believe
Small Girl
Side-2
Count On Me
God , A Woman & A Man
There’s More To Jesus
Cross Out No
Wake Up Suddenly
Produced by Lydell Feist
Orchestration arranged and conducted by Billy Barber
Engineered by Paul Martinson and Scott Rivard
Recorded at Sound 80 Studio , Minneapolis , Minnesota
Lydell : all vocals
Steve Keck : acoustic guitars , background vocals
Larry Larson : acoustic guitars
Jimmy Johnson : bass guitar
Paul Nye : electric guitar
Billy Barber : fender Rhodes , background vocals
Gary Gauger : percussion
Bill Berg : precussion
Dave Carr : clavinetta , recorder
Cal Hand : pedal steel
Lonnie Knight : electric guitars
Golden Streets Music
前回に続いて、クリスチャン・ミュージックのアルバムを取り上げます。 今日の主人公の Lydell は作詞・作曲をいっさい行わないので、SSW とはいえません。 そこで、今日から Christian Music というジャンルを追加することにしました。 CCM (Contemporary Christian Music) にすると、1980 年代以降の AOR 風のサウンドをイメージしてしまうので、逢えてこのような表記にします。 それに伴って、過去に取り上げたアルバムもいくつか、このジャンルに登録変更を行っておきました。
さて、今日ご紹介するアルバムは、Lydell (本名は Lydell Feist )の 1976 年の作品。 おそらくはデビュー作だと思われます。 針葉樹の森の中に、映し出された Lydell の表情から推測するに、年齢はすでに 40 歳を超えているのではないかと思いますが、そんな Lydell の心温まるボーカルが全編にあふれるアルバムとなっています。 一部のアップテンポやカントリータッチの曲を除けば、ミディアムスロウで洗練され、品のいいサウンドが展開されています。
なかでも、珠玉の名曲「On The Bank Of Lake Superior」がオープニングに控えており、そのことだけで名盤と躊躇なく呼びたくなります。 五大湖で最も大きな湖、スペリオル湖の湖畔にて、というタイトルも素敵ですが、この曲は素晴らしい音楽が時折垣間見せる奇跡ともいえる完成度です。 ジェントルで上品なメロディー、セルフコーラスのユニゾンとなる美しいサビ、シルクのようなストリングス、「Superior」を「♪すぺらいおーる♪」と優雅に発音するラスト…ついつい何度も繰り返して聴いてしまうこのような曲と出会った時こそ、レコード蒐集冥利につきる瞬間だと思います。
他にも名曲が目白押しです。 今どきのカフェでかかっていそうなボサノバタッチの「Michelangero」や、美しいバラード「Just Believe」、「Small Girl」などが A 面では光ります。
B 面も充実しており、とくに「God , A Woman & A Man」、「Cross Out No」、「Wake Up Suddenly」がお薦めです。 「God , A Woman & A Man」はピアノやストリングスを背景に、Lydell の繊細なボーカルが堪能でき、アルバムタイトルでもある「Wake Up Suddenly」はラストにふさわしい余韻を残してくれます。
このように、このアルバムの魅力は Lydell の美声、美しいアレンジ、そしてクオリティの高い楽曲のトライアングルが高い打点で結びついているところなのですが、肝心のソングライターについて触れてきたいと思います。 名曲「On The Bank Of Lake Superior」、「Jesus Took My Troubles Away」、「Just Believe」、「There’s More To Jesus」の 4 曲が Steve Keck なる人物のペンによるもの。 残念ながら、この人物については情報を得ることができませんでした。 「Michelangero」と「Wake Up Suddenly」が、John Cowan によるもの。 彼もどのような人物なのか不明です。 これ以外の作曲者も、聞いたことのない人物ばかりなのですが、このような優れたソングライターが埋もれているというのもクリスチャン・ミュージックというジャンルの底の深さなのでしょう。
気がつけば 2月も下旬。 日差しは伸び、春の足音が次第に聞こえてくる季節。 そんな静かな夜に、Lydell のレコードを聴くひとときは僕にとって最高の癒しなのです。
■Lydell / Wake Up Suddenly■
Side-1
On The Bank Of Lake Superior
Michelangero
Jesus Took My Troubles Away
Just Believe
Small Girl
Side-2
Count On Me
God , A Woman & A Man
There’s More To Jesus
Cross Out No
Wake Up Suddenly
Produced by Lydell Feist
Orchestration arranged and conducted by Billy Barber
Engineered by Paul Martinson and Scott Rivard
Recorded at Sound 80 Studio , Minneapolis , Minnesota
Lydell : all vocals
Steve Keck : acoustic guitars , background vocals
Larry Larson : acoustic guitars
Jimmy Johnson : bass guitar
Paul Nye : electric guitar
Billy Barber : fender Rhodes , background vocals
Gary Gauger : percussion
Bill Berg : precussion
Dave Carr : clavinetta , recorder
Cal Hand : pedal steel
Lonnie Knight : electric guitars
Golden Streets Music