■McCabe and Dunne / The Ten Penny Bit■
途中でアンプが不調になったりしたため、ほぼ 1ヶ月に渡って Swallowtail Records の特集を行いましたが、今日はその番外編的なアルバムを取り上げたいと思います。
というのも、この McCabe and Dunne のアルバムも Swallowtail Records からのリリースとなっているのです。 前回ご紹介したディスコグラフィーに載っていないじゃないかと思われる人もいると思います。 そうなのです。 このレーベル表記については、僕も最初は戸惑いましたが、ニューヨーク州イサカを拠点としたあの Swallowtail Records とは全く同名の別レーベルだと判断しています。 クレジットには、イリノイ州にある Swallow Productions と明記されており、レーベル面にのみ Swallowtail Records と記載されているこのレコードは、1976 年に発表されたもの。 品番が単に 10001 という点からも、ほぼ自主制作に近いレコードで、おそらくイリノイ州 Oaklawn の Swallowtail Record からの唯一の作品ではないかと思います。
そんなアルバムは、4 曲以外は、全部 traditional で占められています。 そんな traditional はバンジョーとギターを中心にしたインストも多く、アメリカの音楽というよりは、スコットランドやアイルランドのトラッドを聴いているかのようです。 曲名にも Belfast という地名があったり、Reel というダンス音楽用語があったりすることからもそのサウンドを伺い知ることができます。
いっぽう作者がはっきりしている 4曲は、「Lavender Man」、「Song For the Swallow」、「Patriot Game」、「Springhill Mining Disaster」です。 「Lavender Man」は、Dunne と Rocket なる人物の共作。 花の香りのしてきそうな穏やかなワルツです。 Mccabe と Dunne の唯一の共作である「Song For the Swallow」は、バンジョーがメインの小曲ですが、特に目立った出来のものではありません。 Dominic Behan による「Patriot Game」はスタンダード的な名曲。 キングストン・トリオやダブリナーズの演奏で有名のようですが、僕自身がこの曲を初めて知ったのは、1984 年頃のこと。 ネオアコがムーブメントだった約 20年前、The Bluebells の名盤「Sisters」にこの曲が収録されていたのです。 その頃はすっかりオリジナルかと思っていました。 爽やかな青春ネオアコに似合わない反戦歌だったことから、アルバムのなかでのアクセントとなっていた印象があります。 ラストの「Springhill Mining Disaster」は、Ewan MaCall の曲。 この歌も Martin Carthy や The Brothers Four などに歌われていた曲のようです。 スプリングヒル炭鉱の悲劇、という内容どおり重々しい曲調の曲で、このアルバムのなかで唯一ピアノをバックにしたものとなっています。
名前や選曲そしてサウンドからの想像ですが、おそらく Tony McCabe も David Dunne もアイルランドからの移民の家系だったのでしょう。 この二人のその後の音楽活動については全く不明のままです。
そんな折に、Swallowtail Records で検索してみると、ミネソタ州ミネアポリスに同名のレーベルが存在していることを発見しました。 その公式サイトでは、アーティストリストが掲載されていますが、そんななかに、John Roberts & Tony Barrand の名前を発見。 あのイサカの Swallowtail Records から発売になった 2枚のアルバムのカセットが紹介されていました。 ということは、あのSwallowtail Records が拠点をミネアポリスに移して、未だに活動しているということなのでしょうか? とても気になりますね。 メールアドレスも公開されているので、尋ねてみようかなあ。
■McCabe and Dunne / The Ten Penny Bit■
Side-1
Ten Penny Bit
Wild Rover
Peggy Gordon
The Little Beggar Man
Lavender Man
The Swallow’s Tail / High Reels
Song For the Swallow
Side-2
Black Velvet Band
Patriot Game
I’m A Rover
The Wonder / Belfast Hornpipes
Springhill Mining Disaster
Tony McCabe : tenor banjo , acoustic guitar , five-string banjo , mandolin ,vocals
David Dunne : bass , piano ,acoustic guitar ,vocals
All Titles arranged by T. McCabe and D. Dunne
Produced by J.August
Recorded august 1976 , pumpkin studios , oaklawn , ill
Swallowtail Records 10001
途中でアンプが不調になったりしたため、ほぼ 1ヶ月に渡って Swallowtail Records の特集を行いましたが、今日はその番外編的なアルバムを取り上げたいと思います。
というのも、この McCabe and Dunne のアルバムも Swallowtail Records からのリリースとなっているのです。 前回ご紹介したディスコグラフィーに載っていないじゃないかと思われる人もいると思います。 そうなのです。 このレーベル表記については、僕も最初は戸惑いましたが、ニューヨーク州イサカを拠点としたあの Swallowtail Records とは全く同名の別レーベルだと判断しています。 クレジットには、イリノイ州にある Swallow Productions と明記されており、レーベル面にのみ Swallowtail Records と記載されているこのレコードは、1976 年に発表されたもの。 品番が単に 10001 という点からも、ほぼ自主制作に近いレコードで、おそらくイリノイ州 Oaklawn の Swallowtail Record からの唯一の作品ではないかと思います。
そんなアルバムは、4 曲以外は、全部 traditional で占められています。 そんな traditional はバンジョーとギターを中心にしたインストも多く、アメリカの音楽というよりは、スコットランドやアイルランドのトラッドを聴いているかのようです。 曲名にも Belfast という地名があったり、Reel というダンス音楽用語があったりすることからもそのサウンドを伺い知ることができます。
いっぽう作者がはっきりしている 4曲は、「Lavender Man」、「Song For the Swallow」、「Patriot Game」、「Springhill Mining Disaster」です。 「Lavender Man」は、Dunne と Rocket なる人物の共作。 花の香りのしてきそうな穏やかなワルツです。 Mccabe と Dunne の唯一の共作である「Song For the Swallow」は、バンジョーがメインの小曲ですが、特に目立った出来のものではありません。 Dominic Behan による「Patriot Game」はスタンダード的な名曲。 キングストン・トリオやダブリナーズの演奏で有名のようですが、僕自身がこの曲を初めて知ったのは、1984 年頃のこと。 ネオアコがムーブメントだった約 20年前、The Bluebells の名盤「Sisters」にこの曲が収録されていたのです。 その頃はすっかりオリジナルかと思っていました。 爽やかな青春ネオアコに似合わない反戦歌だったことから、アルバムのなかでのアクセントとなっていた印象があります。 ラストの「Springhill Mining Disaster」は、Ewan MaCall の曲。 この歌も Martin Carthy や The Brothers Four などに歌われていた曲のようです。 スプリングヒル炭鉱の悲劇、という内容どおり重々しい曲調の曲で、このアルバムのなかで唯一ピアノをバックにしたものとなっています。
名前や選曲そしてサウンドからの想像ですが、おそらく Tony McCabe も David Dunne もアイルランドからの移民の家系だったのでしょう。 この二人のその後の音楽活動については全く不明のままです。
そんな折に、Swallowtail Records で検索してみると、ミネソタ州ミネアポリスに同名のレーベルが存在していることを発見しました。 その公式サイトでは、アーティストリストが掲載されていますが、そんななかに、John Roberts & Tony Barrand の名前を発見。 あのイサカの Swallowtail Records から発売になった 2枚のアルバムのカセットが紹介されていました。 ということは、あのSwallowtail Records が拠点をミネアポリスに移して、未だに活動しているということなのでしょうか? とても気になりますね。 メールアドレスも公開されているので、尋ねてみようかなあ。
■McCabe and Dunne / The Ten Penny Bit■
Side-1
Ten Penny Bit
Wild Rover
Peggy Gordon
The Little Beggar Man
Lavender Man
The Swallow’s Tail / High Reels
Song For the Swallow
Side-2
Black Velvet Band
Patriot Game
I’m A Rover
The Wonder / Belfast Hornpipes
Springhill Mining Disaster
Tony McCabe : tenor banjo , acoustic guitar , five-string banjo , mandolin ,vocals
David Dunne : bass , piano ,acoustic guitar ,vocals
All Titles arranged by T. McCabe and D. Dunne
Produced by J.August
Recorded august 1976 , pumpkin studios , oaklawn , ill
Swallowtail Records 10001