日々雑感 ~写真と思い~

今日と言う日は、二度と来ない。 
だから今日を大切に・・そんな私のデジカメ散歩 

* 焦っている・・ *

2022年12月21日 | 雑感


焦る・・焦っている。

昭和48年結婚した当時、近くに産科の医院があって募集していたので面接に行った。
院長先生が「大丈夫か? 結婚したら女の人は勤め始めても、すぐできちゃいましたやからなぁ」
「大丈夫です、働かないといけないのですからせめて一年くらいは」
「鍵かけとっても泥棒は入るんやで」意味わからなくてポカーンとしていた私。

2週間後つわり・・いわゆる。 先生が笑いながら「なんや・・まぁ産むまでサポートするから頑張って来てや」
先生を始め、仲間も患者さんも好意的で、何しろ産婦人科・・産むまで勤めた。
夫は毎日麻雀、布団のあげおろしもしてくれなかった。 と言うより、母を見てきたし「尽くしなさいよ」と言われてたし。
毎日靴磨いて、アイロンかけたハンカチ、お風呂あがりは着るものから順番に置き、帰りが遅くても起きて待っていたし、
起きない夫の靴下まではかせたことも。 お弁当作りも欠かさなかった、おなか大きい時くらいと思いしも妻のつとめ。 
遅い帰りを待つとき、帰宅した夫の顔をみるなりほっとしたのかはたまた不足からか、つわりでいつもトイレにかけこんだ。

長女が生まれ生後に2ケ月にして「うちで寝かせてたらいいから」と言われ、泣いたら母乳やおむつ替え、分娩室にいるとき、
鳴き止まぬ娘を背中に負ぶって「もう少しですよ、頑張って!」患者さんのおなかさすっていたりした。
奥様が乳母車で散歩や、待合室の患者さんも相手したり面倒をみてくれた。 長女は沢山の人の愛情いっぱい受けて育った。
2つ離れて長男が生まれた。 さすがに退職、お弁当作りも欠かさなかった。 してあげたいし、夫は私がして当たり前、
悪気はないけど夫のすべき・・が気がつかないし分からなかったのだと思う。 頼めばしてくれたのだろうけど。
ついに目の前のつま楊枝さえ「取って」と言う人になった、妻の用事・・爪楊枝。

以前”夫のトリセツ”に、男は昔から今日は何の獲物を採って家族に食べさせようかそればかり考えていて気がつかない。 
家庭の用事の大変さを見て気がついたらやってよと言う妻に「言ってくれたらやったのに」が夫らしい、そうかうちもそうだ。
洗濯機壊れた直すの私、家のことあちこち破損、やるの私、私の方ができる人になってしまった。
「それくらい気がついてやってよ」「言ってくれたらやったのに」

ある時娘達から言われた。 
「今の時代、どっちが先にどうなるか分からないよ、お父さんも家のこと出来るようにしないと困るよ後で」いいこと言う。 
レンチンもまともに出来ない、魚はさばくけど。 洗濯機も使えない、蕎麦は打つけど。 チェストに下着とかシールを貼った。
少しづつ家事に参加、お風呂掃除を頼むようになった。「ありがとう!助かったわ」そのくらいで私べた褒めするのに、
”人には愛想するくせに 妻には言えない ありがとう” なんで? いえ、思っていても言えないのがその時代の人、仕方ない。
心根の優しい人なのに・・言葉にしたらもっと素敵なのにね。 

・・・て、最近同居の娘が言う、言いだした。 
「母さんが何もできひん父さんにしてきたんよ、手がかかる父さん面倒用見ないよ、お母さんが後に残ってよ」と。
もっとも。夫が残ったら娘の用事が増え負担が大きい大変である。 私はどんなに足腰が・・と言っても家事が少しは出来る、確かに。
そう言いつつ娘の夫への心遣いは私より純粋のような気がしている。 人の悪口言わないし、お年寄りも子供も大好きで優しい。

8月4回目のワクチンの翌日から40度近い熱が下がらなくて、歩くことも食べることも出来なくなり、声もかすれてきた。
サポートセンターに何度電話しても、「もう一日様子を見てください」 三日目思い余って真夜中に救急車、玄関に座り込み
「受け入れ先時間かかりますよ」折れ線グラフの夫の熱や症状を書いた紙、お薬手帳やら見せた。 一発でかかりつけの大きな病院が
受けてくれた。 ここには何度も入院手術した夫の全てのデータがある。 
病院でもすぐに熱下がらず病院から説明しますの連絡に出向くとき死ぬんじゃないかと娘達と泣いた。 
1週間で退院できた幸運な夫であるが、体重が8キロ落ちた、筋肉も。 誰よりもしっかりありますと言われていた夫なのに。
ゴルフも飛距離がでなくなった。 一気に減った食が今やっと戻った。 嬉しそうな夫・・私も嬉しい。
体重が落ちた分、目がへこんできた。 「亡くなったお母さんにそっくりになったね」と娘と笑う。

落ちた体力「悔しいなあ・・」とつぶやきながら、一生懸命筋肉をつけたいと、ストレッチや素振りや運動をしている。 
カウンターの中で夕食の準備をする私の目の前で、ふうふう言いながらチェストに手をつき体操している。
熱しやすく冷めやすいB型の私と違い、やると決めたら即実行、コツコツと継続する几帳面なA型の夫である。
(負けられない! 私が残るんだ!)そう思いながらも、やったりやらなかったり、私ちゃらんぽらん。
ハルメクの菊池体操何ページも切り取ってラミネートしてファイリング見ながらしているのに、続かない!
「母さんが残ってよ」いつか夫のいる目の前で娘が冗談めいて笑いながら言った。 
「そうやなぁ、わしがおっても手をかけるばかりやからなぁ、その時は施設に入るわ」苦笑いする夫。 複雑な私。

焦る・・だからと言って真面目に続けもせずに・・だから、焦っている! 
夫の方が、生きたい・・気持ちが大きくてすることして頑張っている。 同居して二年半になった。
みんながみんなの一日を把握しながら、孫たちともしっくり頼りにもされながら楽しく暮らせるようになった。
今その事が嬉しくてたまらない、が喜んでばかりおれない。 私には目的があるのだ、夫を見送ると言う。
露骨に言わずに、こっそり足腰鍛えよ、自分を労われよ、障害もないのに転ばぬように、階段から落ちないように。

6時を過ぎた。 私の背で夫の寝息が聞こえる、時々何か言っている。 (長生きしたい・・)って夢見てるんかなぁ。
夫は一生懸命に頑張っている、私より頑張っている、レンチンできなくていい、私が残れば・・いい。
夫は”生まれ変わったら、今度は可愛げのある女と一緒になる”と言った、40代に。 私には宿題が残っていた!
反省だらけの毎日、反省だけなら猿でも出来る。

焦る・・、焦っている。
人と過去は変えられないけれど、自分と未来は変えられる。 
12月は・・まだ・・10日もある。 
今からでも自分は変われる・・今日一日くらいは。 それを重ねて行けばいいのだ。 
夫と競争だ。 



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