新しい出発をした月。 もうかなりまえ、かなり。 しかしその当時のことは良く覚えている。
青年は未来を語り、老人は過去を語る。 過去の記憶に強い仲間に入っている、とっくに。
あぁ・・前の日のこと、いえ今さっきのことでさえ思い出せないときがある。
なんと言うことだ!
仕事をやめて一ヶ月以上が経った。
最初は気合を入れて家中の掃除!なんて取り掛かったらお隣の奥様に「いいとこ三日」なんて。
三日ではなかったし結構頑張ったが、身体は正直である。
やりたかったこと半分も出来ていない。 時間があるから出来るのでもないことを痛感した。
いつしか紅く染まった葉もある。
短くなった日、そして秋は少しづつ街の色を塗り替えて行くはず。
やがて鮮やかな色に染まるはず。
衣替え・・私も一枚何かを羽織ってみる・・出来れば明るい落ち着いた色の何かを
そんな月にしたい、いやしなければ・・。
秋の夜長と言う嬉しいも・・見逃せないぞ、自分らしい何かを手にしたい。