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音楽鑑賞  利口な女狐の物語

2005-10-09 | 音楽鑑賞 外来オペラ・・
2005年10月7日 (金) 利口な女狐の物語
ボヘミア・オペラの本領発揮! チェコを代表する傑作オペラ!!
利口な女狐の物語 Prihody Lisky Bystrousky
「利口な女狐の物語」
イェヌーファ(彼女の養女)1904年初演から1924年に利口な女狐の物語のオペラを初演した・・交響詩に声楽、バレエを振り付けた感じで おとぎ話し・夢の話し
曲想が 独特な旋律美が
衝撃的なイェヌ-ファは3回観ているが弦群の悲壮感・・民族性・人間の性が色濃く描写されていると思うが・・女狐では20年の歳月が 人として、悩み・苦悩もなく 達観した精神が曲想に表れているかな?約90分の曲で森番と自然界の係わり・・美しいバレエと森に現れる動物達の衣裳が可愛い・・実に後味の良い曲・オペラであった。・・
(ベートーヴェン田園・マーラー4番を 想い浮べてしまう)

チェコ・ロシアの作曲家は民族色、血筋を色濃く感じさせる・・

作曲、台本:L.ヤナーチェク
原作:R.チェスノフリーデクの物語「女狐ビストロウシカ」
自然の輪廻を愛情豊かに歌う、ヤナーチェクのオペラ。
聡明ですばしこい女狐ビストロウシカはある日、森番に捕らえられてしまう。
寂しさのあまり最初は泣いていた彼女だが、ついにスキを見て脱走する。
一方の人間社会。家路をたどる校長と神父にビストロウシカがいたずらを仕掛けると、 森番は彼女を、昔飼っていた女狐と見破るのだった。
やがて、ビストロウシカは結婚し、子狐に囲まれ森で幸せに暮らす。
が、ある日密猟者に狙われて・・・。 森の動物と人間が織りなす心温まるオペラ。
ビストロウシカ・女狐 … クラーラ・ベネドヴァー○ 雄狐… ヤナ・テトロヴァー
森番      … イェヴヘン・ショカロ◎
神父/アナグマ … トマーシュ・インドラ
校長/蚊    … ズビニェク・ブラベッツ
ハラシタ    … イージー・ハーイェク
蛙       … アンドレア・ブロジャーコヴァー
◎チェコ国立プルゼーニュ歌劇場管弦楽団,合唱団,バレエ団◎
指揮 ヤン・ズバヴィテル◎
歌劇「イェヌーファ(彼女の養女)(Jenufa*[Jeji Pastorkyna])」(1894~1903/1904.1.21初演/1906,11改訂)[3幕] L.ヤナーチェク台本
1-9 歌劇「利口な牝狐の物語(Prihody Lisky Bystrousky*)」JW.I/9(1921~23/1924.11.6初演)[3幕]

青木 勇人 氏より・・
彼は1922年の10月から翌年10月までを作曲に費やした。その間にフクヴァルディに帰郷した際には、野生の狐をみてみたいと言い出して、猟場番のスラ-デク一家に案内を頼み家の近くのバビ-・フ-ラ(婆さんの丘の意)に登った。スラ-デク家の若い息子の回想が伝わっている。

「ヤナ-チェクは白いス-ツを着て現れて、皆は爆笑した..結局彼は家に戻って、もっと目立たない服に着替えなければならなかった。オンドジェイニツェ川の渓谷とリビ-川を登って、我々はバビ-・ホラ山に着いた。するとあつらえむきに、狐の一家がほら穴から姿を見せてあたりをうかがい、はね回り始めた。ヤナ-チェクはそわそわし始め、狐はびっくりして逃げてしまった。「なぜじっとしていないんです?ヤナ-チェクさん。まだ見ていられたのに。」ヤナ-チェクは嬉しくて興奮しきっていて、そんな言葉には耳も貸さずに言った。「ビシュトロウシュカだ!、ビシュトロウシュカだ!」と。」

「長い間、オペラを書く時はまったく頭痛がしていたが、「ビシュトロウシュカ」とは飼い慣らされた狐のように一緒に遊びまわった。いつも彼女の赤い毛皮が目の前で輝いていたのは不思議だった。」とヤナ-チェクは回想している。

こうして何気ない生活のひとこまから生まれたオペラ『利口な女狐の物語』は、彼のオペラの中でも最も美しく、そして最も深遠な作品となった。恋をして子狐をたくさん産んだ女狐は、密猟者の一弾に息絶えるが、新しい命は森のなかではつぎつぎに生まれ、成長していく。そして年老いた森番は、自然の大いな生命の力に圧倒されて幕は下りる。森番の最後の歌は、ヤナ-チェク自身が台本に書き加えたものである。
「...夕暮れに太陽が輝く時が、わしは好きだ。
その時、森は何と美しいことだろう。
妖精たちが夏のすみかに、薄い衣をまとって
帰ってくると、花はまた咲き誇り、愛もまた戻ってくる。
妖精たちは、喜びの涙をこぼしながら挨拶をかわし
サクラソウや、レンゲソウや、アネモネの
何千ものつぼみに、蜜と喜びとを注ぐのだ。
人々は頭を垂れて、悟ることだろう。
天の息吹が周りを吹き渡ったことに。」

ヤナ-チェクはこうしてオペラ作品を次々に完成させていた作曲家レオシュ・ヤナーチェクの生涯と芸術

レオシュ・ヤナーチェク (1854- 1928)の不思議な音楽、自然と情熱の一体となったような音楽は どのように生まれたのでしょうか? 青木 勇人 氏より

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