【マンゴープリン】
「マンゴープリン」は、洋生菓子の一種。マンゴーの完熟した果肉を潰し、生クリーム、ゼラチン、砂糖などを混ぜて、冷やし固めたゼリー。
『概要』
プリンという名が付いているが、本来のプリンのような蒸す工程がなく、また現在は鶏卵も使用しない例が多く、ゼラチンで固めるレシピが一般的であるため、実際は乳製品の風味を加えた不透明なフルーツゼリーの一種である。
香港のレストランでデザートとして供され、台湾、中国、日本などにも広まった。
本来、フィリピンのペリカンマンゴーの実が多く成る、4月から9月ごろまでの季節商品であった。現在も季節限定して出している店舗も少なくないが、工業的に大量生産されるものは、冷凍果肉やピューレーの使用によって通年作られている。
『歴史』
最初に作られた時期や場所は考証が必要であるが、1980年代にはすでに香港に存在している。この頃、香港でフィリピンマンゴーの流通が広がったことが背景にある。
1980年代後半から、アニメ雑誌「ファンロード」が読者を集めて行った香港ツアーでは、参加者が食べた「マンゴープリン」が美味しかった旨の感想が同誌で紹介された。
1987年にこれらのツアーの内容を纏めて出版された「ファンロード特別編集93 香港・台湾ゲボボ・ガイド」にも、魚の形の「マンゴープリン」の写真に「夏場は小さな店でも食べられる」との説明があり、季節商品であったことが知れる。
1990年代になると、香港でも出す店が増え、各種ガイドブックや雑誌も取り上げるようになると、香港の「マンゴープリン」は果肉たっぷりで美味しいとして日本からの観光客の注目を集めた。
1997年の中国への返還を前に出版ブームとなった香港紹介本にも「マンゴープリン」のこうした紹介がある。
この頃から日本でも独自に「マンゴープリン」と称するものが製造販売されるようになったが、香港の物とは全く異なる、風味の薄いものであった。
2005年、日本に生果としてのマンゴーの人気が高まり、再び多くの食品メーカーから、「マンゴープリン」を含むマンゴー入りの製品が各種発売されるようになった。
香港の甘味処である「糖朝」が日本各地に店舗を持ち、本場レシピの「マンゴープリン」を展開し、ホテルや洋菓子店でも消費者の求める本物志向に応える商品が増えてきた。
現在では、日本でもある程度のコストを払えば、香港に近い味の「マンゴープリン」が食べれるようになっている。
【プリンアラモード】
「プリンアラモード」とは、細長い皿に、カスタードプディング、ホイップクリーム、アイスクリーム、フルーツを主体として、その他の甘い具を加えてデコレーションした盛り合わせデザート。
店によっては、生クリーム、バタークリーム、チョコレート・ソースなどを加える。
「ア・ラ・モード」は「最新の流行」「洗練されたもの」を意味するフランス語から取られている。
神奈川県横浜市中区にあるホテル・ニューグランド「ザ・カウェ」が考案したデザートといわれる。
太平洋戦争後、GHQ接収時の同ホテルにあって米軍高級将校の夫人に提供することを念頭に置き、プディングのみならず缶詰の果物やアイスクリームなどを付け合わせて出したのが始まりである。