【ミルフィーユ】
「ミルフィーユ」は、フランス発祥の菓子の一種
歴史のある菓子であり、形状や製法も様々なものがあるが、現在では3枚のフイユタージュ(日本では通称パイ生地)にクリームを挟み、表面に粉糖がまぶされたもの。あるいはフォンダンがかけられているものが基本とされている。
『一般的な種類』
・ミルフィユ・ロンー丸い形状のミルフィユ、側面にはカスタードクリームを塗り刻んだフイュタージュをまぶし、上面に粉糖をまぶしたもの。
・ミルフィユ・グラッセーフォンダンがけにしたミルフィユ、チョコレートで矢羽模様などを描き飾りとしているもの。
・ミルフィユ・ブランー3枚のフイュタージュ生地を用いる代わりに、中央の1枚をスポンジケーキに置き換えたもの。
・ミルフィユ・オー・フレーズー苺のミルフィユ、ナポレオン・パイとも言われる。クリームだけでなく苺も挟みこんだもので、冷やして供される。
ミルフィユに用いられるクリームとしてはカスタードクリームがよく知られているが、生クリームやバタークリームなども広く用いられている。叉クリーム以外にも、アブコットジャムやリンゴのコンポートなどが使われる場合もある。
『由来と歴史』
フランス語で「ミル」は(千)、「フィユ」は(葉)を意味しており、一般的に「千枚の葉」という意味だと理解されている。
「ミルフィユ」に用いるフイュタージュは、四角く広げた小麦粉生地に平らにしたバターを乗せ、何回も折りたたんで作るもので、折りたたむ工程を重ねるほど層が増し、パリパリとした食感になっていく。
工程を5回繰り返し729層となったものや、6回繰り返し2187層になったものが主に用いられており、その層になった生地を何枚か重ね合わせて、さらに沢山の層をしているという状態を「千」で表現し、また層になったフイユタージュの落ち葉をイメージさせるような独特の焼き上がりを「葉」として表現し、ミルフィーユという合成語として文学的に言い表した名前となったとも考えられている。
偉大なる古典と言われる菓子であり、1807年にはフランスの「食通年鑑」の食味鑑定委員会が「ミルフィユ」を鑑定している。創造者は同時代の著名な菓子職人であったアントナン・カレームだとも言われており、フランスのルージェが得意としていたとも伝えられている。
【ミル・クレープ】
「ミル・クレープ」は、ケーキの一種。クレープを何枚も作り、間にカスタードクリームや果物を入れながら重ねたもの。
日本発祥のケーキで「千枚のクレープ」という意味のフランス語が名前となっている。「ミルク」」と「クレープ」の合成語ではない。
実際には20枚前後のクレープを使うことが多い。
西麻布のカフェ、ルエル・ドゥ・ドゥリエールと、南麻布のカフェ、ペーパームーンがそれぞれ元祖を主張している。
どちらも同じ工場でケーキを作っていた時期があった事からこのような事態になっている。
「ミル・クレープ」が日本中に広まったっかけは、ドトールコーヒーがルエル・ドゥ・ドゥリエールから許可を得て売り出した事だとされている。