【ティラミス】
「ティラミス」は、北イタリア生まれのチーズケーキの一種。語原のイタリア語は「私を引っ張り上げて」、または転じて「私を元気付けて」の意味。
『作り方』
適度な大きさの型にエスプレッソを染み込ませたビスコッティ・サヴォイアルディ(サヴォイアのフィンガービスケット)を敷き詰め、その上からマルサラワイン・砂糖とともに卵黄を温めながらかき立てたカスタードソース「サバイオーネ」とマスカルポーネチーズを合わせた「サバイオーネ・クリーム」を流し入れ、同工程を2~3層繰り返し、型を埋め尽くし冷やし固め。
仕上げは表面にココアパウダー、時にエスプレッソの豆を挽いた粉を振り掛けて風味付けをする。
『その他』
近年生まれた新しいデザートだが、出生地に名乗りをあげる幾つかの土地の間で論議となったことがある。
原料のマスカルポーネはロンバルディア州のチーズ、ビスコッティはビエモンテ州、クリームのベースとなるサバイオーネもビエモンテ州の郷土デザートだが、現代に於いて原料は他州でも容易に入手でき、サバイオーネも良く知られたクリームであることから考えると、この2州に特定するのは困難で、ヴェネツィア叉はトレヴィーノではないかと言われている。
米国では1970年代終わりから1980年代初めにかけて、日本では1990年頃のバブル期に大ブームになりデニーズを皮切りに、多くのファミリーレストランでメニューに加えられた。その後も一定の人気を保って今日に至っている。
【タルト】
「タルト」は、焼き菓子の一種。焼き菓子に相当するラテン語に由来する。「タルト「という語自体はフランス語である。
『概要』
パイ生地(あるいはビスケット状の生地)で作った器の上に、クリーム、果物等を盛り付けた菓子がそう呼ばれているが、正確にはタルト生地というものが存在し、これを使ったものを指す。
古代ローマ時代のトールタというお菓子由来しており、さらにそのルーツは古代ギリシャやエジプトにあるといわれている。ジャムやクリームはそのままではゲル状で食べにくいため、食べられる器に入れて出そうとしたのが始まりである。
ヨーロッパでは、上にパイ生地が被せられ中のリンゴ煮込まれてジャムに近いような形状になっている。いわゆる「アップルパイ」の事も「リンゴのタルト」という名称で呼ばれている場合が多い。ショートケーキやモンブランに使われるスポンジケーキを排し、代わりにこの生地を使用たものを散見される。
一般的には「タルト」というとこれらの事を指すが、愛媛県出身者の多くは「タルト」と言えば郷土菓子の「タルト」を思い浮かべる。
しかし、これは薄く焼いたカステラ生地に餡を挟み巻いて作るロールケーキの和菓子で、洋菓子の「タルト」とは別のものである。
なお、この郷土菓子の「タルト」も、語原としては洋菓子の「タルト」と同じとされている。