曾根中生監督『わたしのSEX白書 絶頂度』その２

　昨日の続きです。
　ユンボによる工事。轟音。白衣姿のあけみ。「弟のことって何かしら？　早くしてよ。忙しいんだから」坂西「写真見ただろ？　ハッハハハ、ハッハハハ」。こちらに背中を向けて腰をかがめ笑い続ける坂西。「話では聞いていたけど、ああいう商売をしてる人を目の前で見るのは初めてだわ」。鉄球で建物を破壊している建設現場。石を蹴るあけみ。近づく坂西。「じゃあ」と離れるあけみ。「見られて減るもんじゃねえ。別にどうってことないけどよ。見学がわりに、ちょっとあんたの腕を借りたんだ。あんたなら大した金になるぜ」「バカにしないでよ」と立ち去ろうとするあけみ。坂西、腕をつかみ、「逃げられねえよ、もう」「え？　冗談じゃないわ」と落としたコートを拾ってゴミを払うあけみ。「気が向いたら電話をくれよ。ここに書いてある」。去る坂西。ドシーン、ドシーンという音。
　助手席にあけみを乗せた大石「こう見えてもねえ、僕は大石商会の後継ですからねえ、そりゃあけみさんは単なる弁当屋とバカにしてるかもしれないけど、この商売は不況に強い。毎月売り上げがぐんぐん伸びて来てるんだ」。口笛。「もし～すればあけみさんはすぐに社長夫人ですからね。ハハハハハ、ハハハハハ」。車、左折する。
　停車。「すぐ済むからね。よいしょ！」。口笛。周りの様子を見るあけみ。
　ふとんの中でセックスする大西とあけみ。「すごいな」「いいわ」。ふとんから出て全裸で抱き合う二人。激しく突く大西。「あけみさん、君の体はすばらしい。僕は幸せだ」「すごい。もうダメ」「はあはあ、うっ」。大西の動きが止まる。「どう、よかった？」「とてもよかったわ」「ありがとう」。２回目を始める大西。「僕たち肌がぴったり合うんだね。結婚したら毎晩毎晩かわいがってあげるからね。どうしたの？　疲れた？」「ちょっと」「このぐらいで疲れちゃダメじゃないか。結婚したら、もっともっと毎晩毎晩いじめちゃうんだから」。股に紙を挟んだまま、立って去るあけみ。
　歌。トイレで化粧直しをしてるあけみ。「２つの顔を持つ女が♪私の中に傷跡を残し♪」。街頭の中を帰宅するあけみ。「走り去る時、恨みと憎しみの中で♪」。
　歌は引き続き流れている。坂西と女と買い物袋を持ったキヨシが帰宅。女「あんたに電話よ」。公衆電話から電話するあけみ。「あなたの仕事、手伝ってみようかなって思って。ねえ、どこに行けばいいの？」。『ジョーズ』を上映している映画館。「ふとした度に♪悪の花が♪私の中に乱れ咲く♪」。洋物のポルノ映画のポスターをじっと見るあけみ。
　ラブホテルの全景。
　室内。男「君は本当にOLなんだね」。コートを脱ぐ男。あけみ、ベッドに座ってる。「きれいだな。どうして君みたいな人がこんな商売してるの？」。あけみ、泣き出す。「私、弟が病気なの。どうしてもお金がいるの」。あけみ、服を脱がされる。「泣くなよ。かわいそうだね」。胸を吸う男。あえぐあけみ。
　台所の坂西にビールを注ぐキヨシ。女、坂西の頭の上に刻んだ野菜を振りかける。「やくなよ」「誰があんたなんか」。女、食事に加わる。坂西、コートを持って出て行く。それを上目遣いで見るキヨシ。
　激しくセックスするあけみと男。騎乗位。
　女、鏡に映ったキヨシを見る。食事の後片付けをするキヨシ。「やってもいいのよ。あいつ、留守の間に女作ったんだもん」。股にパフをする女。下を向いて息を荒げるキヨシ。いきなり女を押し倒すキヨシ。女はキヨシのズボンを脱がせ、自分は全裸になり、騎乗位で入れる。上になるキヨシ。「ごめん、俺、やっぱりできないよ」。
　フラフラで帰宅するあけみ。電灯をつけて着替える。布団の中のキヨシ、帰宅に気づく。水で股間を冷やすあけみ。全裸になり、キヨシと同じ布団に入るあけみ。せつない音楽。キヨシ「起きろ！　腹が減ったんだ。ラーメンを作れ！」「自分で作りなさいよ」「作ってくれ！」。あけみが見つめると、視線を外すキヨシ。「いいわ」。キヨシ、ガウンをはぎ取る。「そのままだ。裸で作るんだ！」「嫌ね、悪い子ね」。
　病院。マサミを見舞うキヨシ。マサミの下半身の世話をするナース。キヨシ、ギターで弾き語り。「しかしキンタはケンカが弱く♪～とやっても負けてしまう♪～に自信のないキンタ君♪ケンカはいつも負けが多い♪キンタ負けるなキンタ負けるな♪」。
　坂西「～のセールスマンよう、あんたのこと気に入っちゃったらしいんだよ。もう一度付き合ってやってもらえねえか？」「嫌、同じ人とは嫌」。（中略）
　マサミ、去ろうとするナースの白衣を掴んで引き戻そうとする。それを見ているキヨシ。ナース、振り切りドアへ。キヨシ立ちはだかる。「どきなさい！」「服を脱ぐんだ！」。キヨシの手にナイフ。（また明日へ続きます……）