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ピッキオ編著『虫のおもしろ私生活』

2009-11-29 12:33:00 | ノンジャンル
 月刊ソトコトで紹介されていた、ピッキオ編著の'98年作品「虫のおもしろ私生活」を読みました。
 まず、虫のいるところ別に、いる虫の写真が紹介され、次に場所別に、そこにいる虫の生態が細かく紹介され、次にマンガで進化上の虫の存在の説明が行われ、最後に形態上から虫を分類する仕方が図解で説明されています。
 主に小学生向けの観察の手引きとして書かれた本のようですが、豊富なカラー写真が面白く(特に交尾や食餌、羽化のものなど)、一気に読んでしまいました。子供が巣立ちするまで飲まず食わずで巣の中に留まり、最後には自分の体を子供たちの食料として与えてしまうハサミムシや、オスが他のオスと交尾して体内に精子を注入し、そのオスに自分の精子をメスに注入してもらうカメムシのような「へんないきもの」級の生態に言及したものは少なかったのですが、ほとんどの虫が機能的にとぎすまされていて、ロボットの説明を読んでいるような気になりました。しかし、これには実は根拠があって、進化の歴史で原生生物で枝別れした一方の最先端が人類だとしたら、もう一方の枝別れ、すなわち扁形動物、線形動物、環形動物、軟体動物、節足動物を含む進化の道筋の最高峰にあるのが昆虫を含む節足動物であることをこの本で知りました。ちなみに昆虫の中では、翅のないもの、たためない翅のあるもの、たためる翅のあるものの順で高度化していき、中でもサナギになる完全変態の昆虫が一番高度に進化したものであることも知りました。なぜなら、完全変態すれば親と子で競争が発生しないからなのだそうです。そして種類に関しては、昆虫が100万種類なのに対し、魚類が2~3万、両生類・は虫類が0.7~0.9万、鳥類が0.9万、ほ乳類が0.4~0.5万種類というのも面白い数字だと思いました。
 単なる観察図鑑というレベルを超えた興味深い本だと思います。生物の多様性に興味のある方にはオススメです。

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