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飯嶋和一『始祖鳥記』

2010-01-19 18:38:00 | ノンジャンル
 宮田珠己さんが著書「スットコランド日記」で言及していた、飯嶋和一さんの'00年作品「始祖鳥記」を読みました。
 江戸中期の備前岡山。優れた表具師の幸吉は、幼い頃に蜃気楼で見た異国の風景が忘れられず、凧を作って橋から飛ぶことを繰り返します。それを目撃した者たちはそれを鵺(ぬえ)と見なし、故事に習って現在の腐敗した政治を揶揄しているものとして喝采を叫びます。やがて幸吉は捕らえられ、財産を全て没収された上で所払いにされます。幸吉と同郷の源太郎は自分の弁財船に彼を乗せてやり、江戸近くで塩を商っている伊兵衛に求められて関西の塩を江戸に運ぶ仕事をして財をなします。その船のベテランの乗組員である杢平(もくべえ)が船を降りて駿府に居を構えると、幸吉もともに船を降りて木綿商を始めます。しばらくすると蝦夷に外国船が訪れ始め、それに刺激された杢平は再び船に乗りますが、しばらくして病死します。その知らせを聞いた幸吉は命のはかなさを思い、生きているうちに空を飛びたいという夢が再び起こり、60mの高さから凧に乗って空を飛び、見事に着地するのでした。
 歴史小説特有の固有名詞の多さ、細部に渡る説明文の多さに辟易しましたが、少し飛ばし読みしながらも最後まで読み終えることができました。内容的には惹かれる部分があったからでしょう。歴史小説が好きな方にはオススメかも。

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