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和田誠監督『怪盗ルビイ』その2

2022-04-15 01:11:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。

 グラリときた徹はまたまたノセられてしまう。「今度はうまくやるさ」と張り切ってしまうのだ。ニコリとしたルビイはテーブルにイヤリングを取り出す。「金儲けの近道はなんといっても詐欺よ。労力はいらないし、走り回ることもないし、お洒落だわ」と言い、2000円のイヤリングを50万円で高く売りつけようというのである。
 スタイリスト・留美が用意した衣装を身につけて大金持ちの息子に化けた徹は宝石店に乗り込んだ。母の形見のイヤリングの片われを探しているというふれこみだ。お金は幾らでも出すから対にしてほしい……そして後日、今度はルビイが乗り込む番だ。高そうなイヤリングを拾ったのだけど……宝石店の店員(斎藤晴彦)が欲にかられて買ってくれたらしめたもの。
 しかし結果はまたまたプランと違ってしまった。電卓をはじいてみるルビイ。スーツの借り賃やネクタイのお金、名刺作成代金等々大いにモノ入りの犯罪となってしまった。赤字の計算を前にガッカリするルビイ。ヘマした時に掴まるのはどちらか、と心配していた徹はホッとした表情である。だが、ルビイは負けない娘だった。「でっかいヤマはるのよ。それっきゃないんじゃない?」……
第4の犯行は豪華マンションに忍び込んで金目のものを盗みだそうおt言うのである。高級マンションだからガードは固い。鍵の型を手に入れるためのルビイと徹のアタック……管理人を巧みにダマして二人は鍵の型をとることに成功する。そしてスペアーキィを作って、ある夜二人は狙い定めていた山之内さんの部屋に入ることに成功した。
 懐中電灯の光の中に高級そうな家具調度が浮かび上がる。「やったね!」と喜んだ二人だったが、とんだトラブルが待ち受けていた。緊張しきった徹がトイレに駆け込んだのだが、出ようとした際、ポロリとドアのノブがとれてしまい、ぶつかっても蹴飛ばしても、ドアはビクともしないのだ!
 何か道具がないとダメね、とルビイはつぶやき、「すぐ戻ってくるわよ」お言い残して部屋から出ていった。手の打ちようがなくトイレの中でオロオロしている徹。ところが、山之内さん(木の実ナナ)と愛人(岡田眞澄)が突然帰ってきたのである。肝を冷やす徹。しかし山之内さんたちは開かないドアに文句を言いながら寝入ってしまう。
 やがてルビイがやってきた。知恵と機転を利かせて正々堂々正面から、ドアの修理人の格好をして山之内宅を訪れ、徹を救い出したのだ。「よく助けにきてくれたね」と感謝する徹。あきれ顔のルビイ。
 ことごとく犯罪計画が未遂に終わってルビイのプランは止まったかに思えた。ところが彼女はもっと難題の犯罪を徹に依頼したのである。それはルビイの恋人がからむものだった。最初は嫌がった徹だが、やはり彼女のために腰を上げざるをえない。そしてそれは徹一人っきりでやらねばならない“犯罪”だった。ルビイが恋人に書いた別れの手紙を、恋人の郵便受けから盗んできてほしいというのだ。前日の行動を目撃した中年女性(富士真奈美)の通報を受けて、待ち受けているパトカー、警察署━━だが徹はそれとも知らずに出かけていく。徹は現行犯で捕まり、署に連行される。
 徹は手紙の中には菌が入っていて、封を切って中の紙に触れると必ず死んでしまうと警察で話す。鑑定員(名古屋章)は調べた結果、本当に「カンケチワ」という菌に手紙が汚染されていたと言い、徹を解放してあげる。ルビイの部屋を訪れた徹に、ルビイは「犯罪はわりに合わないわね。もっと他のことをしましょうか?」と言って、徹にキスしてくる。キスを返す徹。二人は窓から夜空を見上げて、徹がルビイに星や星座の名前を教えてあげているのを俯瞰で撮り、映画は終わる。

 なんともチャーミングでお洒落な映画でした。第4の犯罪の前に、ルビイの部屋で二人が歌うミュージカルシーンも魅力的でした。小泉今日子の代表作の一つとなると思います。