gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

石井隆監督『GONIN』その1

2017-03-15 08:50:00 | ノンジャンル
 石井隆監督・脚本の’95年作品『GONIN』をWOWOWライブで見ました。
 水滴の音。つぶったまま動く眼球。踊る狂う男(本木雅彦)を冷ややかに見る男(佐藤浩市)は、踊り狂う男の免許証を拾う。雨降る横丁。「なめたいか。なめたら立つぞ、アハハハハ」と踊っていた男は、相手の男にバットを振るう。相手の男「この町から出られないようにしてやる」「二度と会えねえようにしてやるよ」。そこでバットを手にしていた男は振り向く。見ていた男に一線の涙。バットの男はナイフで涙の男を刺し、そこで目覚める男。彼は起きだし、カーテンを開ける。
 東京の夜景の空撮をバックにタイトル。
 バッティングセンター。空振りばかりの男。向こうでは喧嘩。男の携帯がなるが、男は出ない。禿の男(竹中直人)「鳴ってますよ。気になって集中できない」「出ようが出まいが俺の勝手」「何か言った?」「馬鹿か、こいつ」。
 ゲーセンを出る男。「何か言ったかって?」とバッティングセンターの男、バットで男を殴ろうとし、やがて泣き出す。「おっさん、大丈夫か? 頭打ったか?」。
 救急車の音。男の車の中。「血が止まらない」「お送りしよう」「千葉だ。訴えてやる」。泣く男、携帯電話をかける。「あっ、パパ。ごめんね、遅くて。ママは起こさなくていいよ。まだ大阪。心配しないでって言っといて。お休み」。「リストラに会ったんだ。宮仕え20年。家族にも言えない。カプセルホテルに泊まってる」「3千万残ってる」「あんた、何屋? こんな車買う金あるんだったら雇ってくれ。これ履歴書」。
 ディスコの前に停まる車。出て行く客に男「ありがとうございました」。男はディスコの音楽を一旦止め、客が静寂に包まれると、再び音楽を流す。踊っている客に「お楽しみのところ、申し訳ございませんが、本日はこれで閉店させていただきます」「何? はっきりしゃべれって」「親分さん」「なめてんのか?」。親分、バットで男を殴る。ナイフの男、親分に「兄ちゃん、一緒に踊ろう」「このガキが」。ナイフの男、倒されてナイフを出す。親分は拳銃。若頭(鶴見辰吾)「落ち着けよ」「分かったよ」男「電話をいただけましたらVIP席に」若頭「携帯に出ろよな。とんずらしたかと思った」「金策に走り回ってまして」「まあいい。明日顔だせよ。組長が怒ってる。(ナイフの男に)若えの、うちに来ねえか?」。ナイフの男、つば吐く。「早死にすんなよ」。若頭や親分ら、去る。男、スタッフたちに「今日は終わりだ。何事もなかったことに。いいな?」「はい!」。ナイフの男に「申し訳ありませんでした。これ、むき出しで申し訳ないんですが」と現金を渡そうとするが、「ケタが違うよ。俺をちくった落とし前だよ」。リストラの男「なら俺がもらっとく」「戸塚、この人タクシーで送ってやって」ナイフの男「俺を起こせよ」。
 海沿いのテラスハウス。「改めてお詫びを。これで口の中を消毒してください」。ナイフの男、差し出されたビンを落として割る。「お礼じゃねえって。落とし前だ」「ちくったのは」「とぼけてんじゃねえ。俺の免許証拾ったろ。あれでこれだよ。(手錠をかけられたジャスチャー)ケタ間違うな」「送ってやろうと思ったんだけど」「だからってちくらなかったとは言わせねえ。(ナイフを取り出し)金出せよ」「いくら?」「すべて。センターエスタブリッシュメント、万代(ばんだい)幹彦さんは金持ちだ♪」「お望みなら。ただし暴力団の取り立て付きでよろしければ。どうしますか?」「現金でいいや」「分かりました。少なくとも1千万」「5千万だよ」「運が良けりゃ。俺一人では無理だ。三屋(みつや)純一と一緒なら奪えると思う。あと一人は元刑事。3人で多分1億。俺も結構ヤバイ。なめんなよ。なめたら立つぞってか? どうする、三ツ矢君。ちんけな財布を取るか」。三屋、女装のカツラを取り、「アハハハハ、お前、モーホじゃねえだろうな。勘違いすんなよ。俺がこんな格好してんのはな、金持ちのモーホのエサを横取りするためだ」。服を脱いでいく三屋。「汗臭えや。シャワー借りるぜ。どこだよ?」。万代、ナイフで指し示す。「下着の用意、しとけよ。ハハハ」。
 “大越芸能社”の看板。万代は監視カメラの位置を確認し、ピンポンを押す。「ディスコの奴が来ました」「入れ! こっちだ! こっちだよ!」(明日へ続きます……)