gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

吉田照美『ラジオマン 1974-2013 僕のラジオデイズ』その4

2017-03-11 05:48:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
・「あの官邸前デモに参加している人たちに、反原発団体というレッテルを貼りたいというのが、国の方便なわけですけど、実際に間近で見てみると、全然そんな感じじゃないんです。カップルもいれば、家族連れもいれば、乳母車を押している若いお母さんもいる。僕には、みんな普通の人に見えました。だから、“デモ”という言い方は似合わないような気がします。僕は、あれは“行進”だと思いましたね。つまり、普通の人が行進するという事実が、テレビのニュースではまったく伝えられていないわけです。ひどいと思いました」
・「やはり客観報道というものは非常に難しくて、そうすると、自分で取材して、自分の物差しで見たものが一番正しい情報だと思うんですよ。そうでない限りは、複数の情報があったら、それらを全部伝えて、その上で真実はどこにあるのかを伝えなければならない。そして、それが今、ちゃんとなされているかと言うと、まったくそうは思えないわけですね」
・「最終回の放送は13年3月29日。やはり最後は、なかなか感慨深いものがありましたね」
・「僕は、今までラジオの放送中に泣いたことはなかったんですが、この番組の最終回で、とうとう泣いてしまいました。1通の手紙がきっかけで涙してしまったんです。『やる気MANMAN』のヘビーリスナーだった方が、久々に手紙をくれたんですね。『ソコトコ』もいつも聴いてくれていたらしいんですが、手紙は長い間、書いていなかったと。理由は、奥さんががんに侵されてしまったから。でも、その後、奥さんも元気になられて、『こうして久しぶりにお便りを出しました』それでもう、ウルッと来てしまいました」
・「そして、僕の現在のもうひとつのレギュラーラジオ番組『吉田照美 飛べ!サルバドール』は、13年4月にスタートしました。僕のアナウンサー人生にとってターニングポイントとなった『ソコダイジナトコ』を経て始まった、平日夕方の帯ワイド番組です」
・「スタートにあたって、文化放送から番組に託された命は『常識を越えろ』。それが番組のスローガンになっています」
・「ラジオの番組の特性を活かすためには、インフラや規制も取っ払うべきだろう。在京キー局の番組も地方局の番組も、すべてのラジオ番組が、日本全国どこでも聴けるようになれば、ラジオというメディアももっと強くなるのではないだろうか」(これは現在radikoで実現しました)
・「(前略)くだらない話をしているときに腹を抱えながら大笑いする瞬間が、一番好きだ。(中略)そんな瞬間が、ラジオに携わる僕にとっての至福の時間だ」
・「今後の目標は、自分の代表作と呼べるようなラジオ番組を作ること、これに尽きる。かつて、喜劇王のチャップリンは、『あなたの代表作は?』と問われた時、『NEXT ONE』と答えたという。過去の代表作ではなく、未来の次回作こそが自分の最高傑作--------僕もまさにそんな姿勢で仕事をしたいと思っている」
・「しかし、“ラジオで自分が本当にやりたいこと”とは何なのか。僕はいまだにわからずにいる。だから-------わからないまま、今日もラジオマイクに向かっている。わからないからこそ、ラジオの仕事を続けていくことができる。わかるまで、今日も明日も明後日も、ラジオマイクの前で、リスナーに向けて、僕はしゃべり続けていくことだろう。僕は、ラジオを愛している。僕は、ラジオマンだ」
・永六輔さん「あのですね、終戦時、僕は大学で民俗学者の宮本常一先生に師事していました。(中略)僕はこれからはラジオが面白そうだと考え、宮本先生に相談したんです。『民俗学から離れて、ラジオの世界に行きたいと思います』って。(中略)そしたら、先生が『キミ、ラジオってのは電波だ。電波はどこまでも飛ぶ。キミはどこまでも飛ぶ電波の先に行け。行き着いた先で人と語らい、人の話を聴け。キミはそれをスタジオに持ち帰って伝えなさい。だからスタジオでモノを考えるな、モノを考えるなら電波の先で考えろ。それができるなら、行ってもいいよ』って言われたんです。(中略)その教えを今日まで、ずーっと守ってます」

 照美さんのラジオ番組に対しては、私が中学生の時に『てるてるワイド』を聴き始めて以来、ずっと熱心なリスナーであり、照美さんは私の精神的な“お兄さん”的な存在だったと思います。『てるてるワイド』の時、モノマネが上手だった妹の名前をかたって手紙を出し、妹を電話を通じて番組に出演させ、マッチのコーナーでその日の金賞をもらった思い出もあります。私の青春時代から今まで続いて来た、文化放送における照美さんの帯ワイド番組は、なんと今月いっぱいで終了とのことで、“Change org”などでは反対運動が起こっているようですが、一度上層部が決めたことを覆すのは難しいと思います。とにかく気概にあふれた照美さんの声をradikoでもいいですから、これからも聴いていきたいと切に思っている次第です。