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増村保造監督『動脈列島』その2

2014-08-04 10:23:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 “実行5日前”の字幕。明日の午前中もう一回新幹線を止めるという警告状が国鉄総裁と3つの新聞社とNHKに送られます。警察庁長官は今まで警告状を隠してきたことの突き上げを新聞社(鈴木瑞穂)らから喰らいますが、明日新幹線が止まらなければ、今回の警告状のことは報道しないでくれと、マスコミに頼みます。本を見ながら部品を組み立てる秋山。トモコは取り調べで何も話しません。新幹線の専門家は、新幹線を止める方法は無数にあると言います。滝川は土地勘のある愛知と静岡の、人目につきにくい盛り土の部分の100kmに絞り、都会は姿を隠しやすいので、犯人は小回りのきくレンタカーで直前に向かうはずだとして、検問を張ろうと言います。
 “実行4日前”の字幕。東京から出る車に対し大規模な検問が行われ、東京のレンタカー屋への聞き込みも行われます。秋山は新宿からロマンスカーに乗り、小田原でレンタカーを借り、高速で新幹線と平行に走り、信号電波を送り、新幹線を止めます。警告状のことを公表するマスコミ。滝川は自分たちの失敗を認め、秋山を犯人として全国に指名手配すると発表します。新聞を見る秋山の大家。国会の運輸委員会では国会議員(渡辺文雄)が警察庁長官に捜査の不手際を追及し、国鉄総裁には公害対策審議会の内容を実行し、犯人の要求を飲めと言います。飲み屋でも国会中継がテレビで放送され、客たちは秋山にエールを送ります。それを聞きながら飲んでいる秋山。秋山はクラブに移ると、ママのフミコ(梶芽衣子)が話しかけてきて、秋山の正体を知った上で、自分のアパートに泊まらせます。彼女は以前看護婦だったと言い、医者は偽善者だと思っていたが、あなたは立派だとも言います。「会えてうれしい。今夜は酔いつぶれたい。付き合って」と言うフミコ。
 “実行3日前”の字幕。国労と動労から、犯人の逮捕がなければ予告日の新幹線の乗務を拒否すると言ってきていると、国鉄職員(平田昭彦)から告げられ、警察庁長官は総裁に労組と交渉するように頼みます。秋山は総裁の家を訪れますが、総裁はオリンピックまでの突貫工事で公害は仕方がなかったと言います。それから10年も放置されていると秋山。累積赤字があると総裁。新幹線は黒字だと秋山。秋山は秘かに会話を録音します。百ホーンの騒音を総裁に聞かせた秋山は、3日後の正午12時に実行すると最後の通告をします。権力が介入するので、裁判は信用しないと秋山。犯罪行為だと総裁。当日1人も乗せなければいいと言う秋山は、総裁が責任を負うべきだとも言います。君はどうなるんだと言う総裁に、私はどうなってもいいと答える秋山。
 “実行2日前”の字幕。テレビ東京のディレクター(峰岸徹)に、秋山と総裁の会話の録音テープが渡されます。警察庁長官はテレビ局長(高橋昌也)に放送を中止してほしいとお願いします。放映してもいいと電話で言う総裁。秋山とフミコは東京を9時20分に出て、5時間以上かけて豊川へ車で向かい、坂の坂トンネルに着きます。何も変わってないと言う秋山は、「次の額田町の町外れに製材所がある」とも言います。装置をカバンに入れ、「予約した名古屋のモーテルに先に行っててくれ」と秋山はフミコに言います。秋山は実家に行き、トラックにブルドーザーを乗せ、ブルドーザーを運ぶと、トラックを実家に返し、フミコが待っていたモーテルに向かい、シャワーを浴びます。秋山に抱きつくフミコ。
 “実行1日前”の字幕。滝川は「秋山が人を殺すとは思えない。障害物を落としやすい切通しの多い山や丘に絞ろう。地域は静岡と愛知。坂の坂トンネルなどを重点的に。警官8万人を動員。私は名古屋へ行く。彼の故郷であり、実行もしやすい」と言います。モーテルで食事をする秋山とフミコ。秋山は「2日もいると怪しまれる。別のラブホテルに行こう。ラブホテルなら客の顔を見ない」と言います。「重い罪になるから止めて。愛してるから。一緒に暮らしたい」と言うフミコに、秋山は「ダメだ」と言い、「どうしても? いきずりに関係だったの?」とフミコが言うと、秋山は「それ以上の関係になってはいけないんだ」と言います。国労と動労ともに拒否を撤回したという知らせが入りますが、その条件として、国鉄当局、労組、公害被害者、学識経験者、4者の代表が特別委員会を作り、根本的な公害対策を審議することが述べられていました。(また明日へ続きます‥‥)

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/