鈴木則文監督の'75年作品『少林寺拳法』をスカパーの東映チャンネルで見ました。
少林寺拳法の由来を説くナレーション。タイトル。「昭和二十年(1945)」「中国大陸」の字幕。日本軍の特務機関でスパイをしていた宗(千葉真一)は大佐(小松方正)から敗戦を聞き、「俺は負けてない」と言って仲間に対して機関銃を乱射します。日本軍の将校から中国軍の参謀の夜の相手を務めろと強要された娘・菊をかばう宗。
「昭和二十一年(1946)」の字幕。大陸の復員列車の中で横暴な振る舞いをする中国人を倒して、他の日本人の乗客たちの情けなさに憤慨する宗。宗は貧乏だった幼い頃を回想し、強く生きることを母から学んだことを思い出します。
「大阪 阿倍野」の字幕。進駐軍の横流しの食料品を盗んだ戦争孤児を捕まえた赤松組(小池朝雄)は、その少年に暴行を加えますが、それを聞いた宗は赤松組をやっつけ、食料品を人々に向かって放り投げます。それを見ていた酔った復員兵・大滝(佐藤充)は自分も空手をやっていたと言って宗に勝負しろと言いますが、簡単に負けます。
縄張りで勝手に商売しようとしたとして売春婦たちに髪を切られていた女性を宗が助けると、それは菊でした。母を亡くし弟の君夫と二人だけになった菊は、ソ連兵に強姦されたと言い、自分の最初の客になってくれと宗に言いますが、宗は俺のところに来て過去を忘れろと言います。宗の元、戦災孤児らと雑炊屋を手伝う菊。そんな中、君夫が米兵のジープにはねられ、そのまま去ろうとする米兵を宗がやっつけ逮捕されますが、牢にはまた大滝がいて勝負しろと言い、大滝はまた負けます。ビルマで戦死したという広報が出てしまい、行方不明になっている妻・昌子を捜しているという大滝。警察署長(丹波哲郎)はMPから宗を引き渡せと言われているが、脱走させてやるから、そのまま大阪から逃げろと宗に言い、そうしないと闇市が封鎖され、そこの人々が生活できなくなると宗を説得します。孤児たちに、やがて拳法の道場を作ると約束して去る宗。
「昭和二十二年(1947)」「香川県多度津」の字幕。米兵相手のダンスホールで暴れて、地元のチンピラらに暴行を受けていた復員兵・友田を救った宗は、下駄に道着を着、ポンチョを羽織るという格好で“ケンカ坊主”と呼ばれ、既に弟子たちを持っていました。妹の美保(志穂美悦子)とともに弟子入りする友田。やがて大滝が現れ、宗はしばらくここに落ち着いて妻を捜すように言います。宗が出入りするうどん屋の娘・典子がチンピラらに強姦されますが、警察が買収されているため、すぐに出所するチンピラ。宗はチンピラの性器をハサミでちょんぎります。チンピラの仲間は稽古中の友田と美保を襲い、友田の右腕を切り落とします。チンピラの元を訪れ、指を詰めさせ、親分の岩佐(名和宏)の肩を脱臼させる宗。
「高松」の字幕。大滝は妻・昌子と戦後に産まれた自分の息子を発見しますが、昌子は既に朝鮮人の夫と暮らしていました。幸せそうな彼らの元を去る大滝。片腕になった友田は深酒をして荒れますが、雨の中宗は友田を殴り続け、友田が片腕でも反撃できることを友田に分からせます。稽古にまた参加する友田。典子の姿もその中に見えます。
やがて少林寺拳法の公開演武会が開かれることが報道されます。赤松組が現れ、手を組もうと言いますが、宗は相手にしません。大阪からは「菊の病、重し」の電報が届き、孤児たちを支えるために売春をしていた菊は宗に看取られて死にます。役所を買収した赤松組は、市の所有地に住む人を追い出しにかかり、それを妨害しようとした大滝は赤松組の者に刺されて死に、昌子は泣き崩れます。赤松の元に姿を現した宗は、そこにいた岩佐の両腕を折り、拳銃を持って逃げた赤松も最後には倒すのでした。
「正義をともなわない力は無力なり。力をともなわない正義は無力なり」という字幕とともに映画は終わります。
もっと荒唐無稽な映画を期待していたのですが、千葉らのアクションだけが印象に残る映画でした。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
少林寺拳法の由来を説くナレーション。タイトル。「昭和二十年(1945)」「中国大陸」の字幕。日本軍の特務機関でスパイをしていた宗(千葉真一)は大佐(小松方正)から敗戦を聞き、「俺は負けてない」と言って仲間に対して機関銃を乱射します。日本軍の将校から中国軍の参謀の夜の相手を務めろと強要された娘・菊をかばう宗。
「昭和二十一年(1946)」の字幕。大陸の復員列車の中で横暴な振る舞いをする中国人を倒して、他の日本人の乗客たちの情けなさに憤慨する宗。宗は貧乏だった幼い頃を回想し、強く生きることを母から学んだことを思い出します。
「大阪 阿倍野」の字幕。進駐軍の横流しの食料品を盗んだ戦争孤児を捕まえた赤松組(小池朝雄)は、その少年に暴行を加えますが、それを聞いた宗は赤松組をやっつけ、食料品を人々に向かって放り投げます。それを見ていた酔った復員兵・大滝(佐藤充)は自分も空手をやっていたと言って宗に勝負しろと言いますが、簡単に負けます。
縄張りで勝手に商売しようとしたとして売春婦たちに髪を切られていた女性を宗が助けると、それは菊でした。母を亡くし弟の君夫と二人だけになった菊は、ソ連兵に強姦されたと言い、自分の最初の客になってくれと宗に言いますが、宗は俺のところに来て過去を忘れろと言います。宗の元、戦災孤児らと雑炊屋を手伝う菊。そんな中、君夫が米兵のジープにはねられ、そのまま去ろうとする米兵を宗がやっつけ逮捕されますが、牢にはまた大滝がいて勝負しろと言い、大滝はまた負けます。ビルマで戦死したという広報が出てしまい、行方不明になっている妻・昌子を捜しているという大滝。警察署長(丹波哲郎)はMPから宗を引き渡せと言われているが、脱走させてやるから、そのまま大阪から逃げろと宗に言い、そうしないと闇市が封鎖され、そこの人々が生活できなくなると宗を説得します。孤児たちに、やがて拳法の道場を作ると約束して去る宗。
「昭和二十二年(1947)」「香川県多度津」の字幕。米兵相手のダンスホールで暴れて、地元のチンピラらに暴行を受けていた復員兵・友田を救った宗は、下駄に道着を着、ポンチョを羽織るという格好で“ケンカ坊主”と呼ばれ、既に弟子たちを持っていました。妹の美保(志穂美悦子)とともに弟子入りする友田。やがて大滝が現れ、宗はしばらくここに落ち着いて妻を捜すように言います。宗が出入りするうどん屋の娘・典子がチンピラらに強姦されますが、警察が買収されているため、すぐに出所するチンピラ。宗はチンピラの性器をハサミでちょんぎります。チンピラの仲間は稽古中の友田と美保を襲い、友田の右腕を切り落とします。チンピラの元を訪れ、指を詰めさせ、親分の岩佐(名和宏)の肩を脱臼させる宗。
「高松」の字幕。大滝は妻・昌子と戦後に産まれた自分の息子を発見しますが、昌子は既に朝鮮人の夫と暮らしていました。幸せそうな彼らの元を去る大滝。片腕になった友田は深酒をして荒れますが、雨の中宗は友田を殴り続け、友田が片腕でも反撃できることを友田に分からせます。稽古にまた参加する友田。典子の姿もその中に見えます。
やがて少林寺拳法の公開演武会が開かれることが報道されます。赤松組が現れ、手を組もうと言いますが、宗は相手にしません。大阪からは「菊の病、重し」の電報が届き、孤児たちを支えるために売春をしていた菊は宗に看取られて死にます。役所を買収した赤松組は、市の所有地に住む人を追い出しにかかり、それを妨害しようとした大滝は赤松組の者に刺されて死に、昌子は泣き崩れます。赤松の元に姿を現した宗は、そこにいた岩佐の両腕を折り、拳銃を持って逃げた赤松も最後には倒すのでした。
「正義をともなわない力は無力なり。力をともなわない正義は無力なり」という字幕とともに映画は終わります。
もっと荒唐無稽な映画を期待していたのですが、千葉らのアクションだけが印象に残る映画でした。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)