今日から「檸檬のころ」が良かった豊島ミホさんの作品を紹介していきます。今日は'02年9月に出版されたデビュー作「青空チェリー」です。本の題名になっている短編で「女による女のためのR-15文学賞」を受賞し、それがデビューのきっかけになりました。その他に収録されている2作の短編は書き下ろしの作品です。当時宮崎さんはまだ大学生でした。
第一話「青空チェリー」は、予備校の屋上から隣のラブホを覗いていた森田千花は、やはり同じ事をしていた本橋幸夫と出会い、一緒に覗きをし、一緒にオナニーします。結局セックスまで及びますが、森田が初体験のため痛がり、失敗に終わります。しかし、また挑戦させてくれることを森田が快く承知してくれたので、本橋は心やすらぐ、という話。
第二話「なけないこころ」は、主人公のあたしは、学生時代から五年間思い続けている人がいます。彼の心に自分が残る存在になるため、あたしは床上手になろうと努力しますが、フェラチオがうまくなっただけです。そんな中、帰郷すると駅のホームでバッタリ彼に出会います。変わってない彼に「タケモト、あんま変わってねえな。何か、安心した」と言われ、泣きたくなるあたし。「あー。さては俺の顔懐かしくて泣いてんだろ~。だっせえ」と顔を覗きこまれると、大粒の涙が滑り落ちます。「お前、俺のこと好きだったんだろ」ぶひゃっ。あたしの鼻から変な音が飛び出して、チビすけはまた爆笑します。あの頃と変わらない大口あけた笑い顔。あたしも声をたてて笑った、という話。
第三話「ハニイ、空が灼けているよ。」は、戦争が起こって2ヶ月。たまに味方の戦闘機が「都」の上空を衝撃波を残して飛び去ります。教授と私は恋人の関係ですが、教授の勧めで田舎に疎開します。田舎の平和が貴重なものに思われて来た頃、徴兵制がしかれ、私は赤紙が来た彼に頼まれ、トンカチで彼の足を潰します。テレビ放送が怪しい内容になり、「都」宛のハガキも届かなくなり、「都」行きの新幹線も運行停止になります。そして、教授から紹介された国会議員から「都」が攻撃目標になっていたことを知り、しばらくして「都」への攻撃が行われ、戦争はまもなく終わります。私は彼を連れて「都」に戻り、国会議員の秘書として働くようになる、という話。
「青空チェリー」は、女の子のオナニーの描写で興奮してしまいました。この本の受けた賞というのが、エロ文学賞なんですよね。ポルノ小説とはまた違うんでしょうか?
「なけないこころ」は、5年間思い続けている人がいる、という上品な文体の文章と、セックスの上達に励むお下品な内容の文章が、交互に現れます。読んでいて一番良かったのが、この短編でした。ラストシーンが泣かせます。
「ハニイ、空が灼けているよ。」は、章ごとに彼と彼女で語り手が入れ替わるように書かれています。田舎の出店に群がる人々の描写など、うまいなあ、と思いました。
第一話「青空チェリー」は、予備校の屋上から隣のラブホを覗いていた森田千花は、やはり同じ事をしていた本橋幸夫と出会い、一緒に覗きをし、一緒にオナニーします。結局セックスまで及びますが、森田が初体験のため痛がり、失敗に終わります。しかし、また挑戦させてくれることを森田が快く承知してくれたので、本橋は心やすらぐ、という話。
第二話「なけないこころ」は、主人公のあたしは、学生時代から五年間思い続けている人がいます。彼の心に自分が残る存在になるため、あたしは床上手になろうと努力しますが、フェラチオがうまくなっただけです。そんな中、帰郷すると駅のホームでバッタリ彼に出会います。変わってない彼に「タケモト、あんま変わってねえな。何か、安心した」と言われ、泣きたくなるあたし。「あー。さては俺の顔懐かしくて泣いてんだろ~。だっせえ」と顔を覗きこまれると、大粒の涙が滑り落ちます。「お前、俺のこと好きだったんだろ」ぶひゃっ。あたしの鼻から変な音が飛び出して、チビすけはまた爆笑します。あの頃と変わらない大口あけた笑い顔。あたしも声をたてて笑った、という話。
第三話「ハニイ、空が灼けているよ。」は、戦争が起こって2ヶ月。たまに味方の戦闘機が「都」の上空を衝撃波を残して飛び去ります。教授と私は恋人の関係ですが、教授の勧めで田舎に疎開します。田舎の平和が貴重なものに思われて来た頃、徴兵制がしかれ、私は赤紙が来た彼に頼まれ、トンカチで彼の足を潰します。テレビ放送が怪しい内容になり、「都」宛のハガキも届かなくなり、「都」行きの新幹線も運行停止になります。そして、教授から紹介された国会議員から「都」が攻撃目標になっていたことを知り、しばらくして「都」への攻撃が行われ、戦争はまもなく終わります。私は彼を連れて「都」に戻り、国会議員の秘書として働くようになる、という話。
「青空チェリー」は、女の子のオナニーの描写で興奮してしまいました。この本の受けた賞というのが、エロ文学賞なんですよね。ポルノ小説とはまた違うんでしょうか?
「なけないこころ」は、5年間思い続けている人がいる、という上品な文体の文章と、セックスの上達に励むお下品な内容の文章が、交互に現れます。読んでいて一番良かったのが、この短編でした。ラストシーンが泣かせます。
「ハニイ、空が灼けているよ。」は、章ごとに彼と彼女で語り手が入れ替わるように書かれています。田舎の出店に群がる人々の描写など、うまいなあ、と思いました。