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永井龍男『コチャバンバ行き』

2006-07-14 16:54:18 | ノンジャンル
 昨日三浦しをんさんが「まほろ駅前多田便利軒」で直木賞を受賞されましたが、昨晩ヤフーオークションに出品されていたその本が何と2700円で落札されていました。本屋に行けば1680円で買える本ですよ。今日も新規で出品されていて、既に1700円の値をつけていました。それまでは710~910円で取り引きされていたのに、直木賞恐るべし。そして直木賞ファンの皆さん、頭を冷やしましょう。

 ということで、奥田英朗さんが「港町食堂」の中で読んでいた永井龍男氏の「コチャバンバ行き」を読みました。寿一郎と郁子の老夫婦の日常を描いた小説で、寿一郎はコック帽をかぶって料理を作るのを楽しみにしているケチだが憎めない男で、郁子は着物の訪問販売の達人です。母屋は夏場に会社の部長クラスの家族用に貸して収入を得るという生活をしていて、たまに甥の清が遊びに来たり、新婚夫婦に二階を貸したり、たんたんと毎日が過ぎていきます。先日読んだ内田百間の本と違い、退屈せず、すらすらと読めてしまうのは、やはり何を書き、何を書かないかの選択が違っているからでしょう。内田氏のファンの方もいらっしゃると思いますが、私は明らかに永井派だと思いました。暇な時に読む本としてオススメです。