奥田英朗氏の「ララピポ」を読みました。各章の題名が70年代の洋楽の題名になっています。
第一話「What A Fool Believes」では、一日中家にいて原稿を書いてるフリーライターが、上の階の部屋から聞こえてくる男女の営みの声で興奮するのが高じて、図書館でナンパした太った女小百合と割り切ってセックスするが、上の部屋の住人が引っ越してしまい、こんなサエない女と、と思いながら小百合の体を求めてしまう話。第二話「Get Up,Stand Up」は、フリーライターの上に住んでいた男の話。彼の職業はキャバクラ嬢のスカウトで、スカウトした女は逃げないようにほとんど体の関係を持つようにしている。ある日いかにもいいなりになりそうな地味な女の子トモコをスカウトすると、いきなりノーパン・パブから働き始め、最終的にAVの親子ものに出ることまで承諾するが相手は実の母だった、という話。第三話「Light My Fire」では、トモコの母は死んだ義理の母を二階に放置し、家はゴミ屋敷と化しているが、ある日街角でスカウトされてAV業界に身を投じ、セックスに目覚めてしまう。一方、隣の家の郵便物をチェックするのが趣味だったが、ある時期から「犬がうるさいから火を付けてやる」というような手紙が入り始め、最後には放火現場に行き会わせてしまい、うちにも火をつけてくれれば黙ってあげると頼み込む話。第四話「Gimmie Shelter」では、近所の犬のうるささに閉口しているカラオケボックスの店員が、援助交際の元締めに君たちもやっていいから場所を貸してくれと頼まれ、常連の自称作家のハゲオヤジらや女子高生のたまり場のようになってしまい、最終的に警察に摘発される。近所の犬は苦情の手紙を何通出しても何も変らないので、最終通告をした上で家に放火しようとするが、失敗し、代わりに向かいのゴミ屋敷に放火するはめになる、という話。第五話「I Shall Be Released」では、文芸作家志望のポルノ作家が編集者に会うために渋谷に出たところ、誘いに乗り援助交際をする。その魅力の虜となった男は、毎日渋谷に通うようになるが、現場に警察が踏み込み、男は何とか逃げ出し、ホームレスの仲間になり身を隠す、という話。第六話「Good Vibrations」では、ポルノ作家のテープリライターをしている小百合は図書館で男を誘惑し、セックスし、それを盗撮してビデオ屋に売っている。ある日男がはち合わせになり、暴力の果てにセックス中絞め殺されそうになる。ビデオ店ではそれが50万で売れた。小百合はいい日の決め事としてステーキを食べに行く、という話。
登場人物がすべて関わっていて、あらすじを書くだけでもこれだけの量になってしまうという、高度な構成を持つ小説です。しもネタだらけなので、そういうのはちょっと、という人にはオススメできませんが、やっぱ奥田英朗さんは才能あるなあ、と改めて感じ入った小説でした。
第一話「What A Fool Believes」では、一日中家にいて原稿を書いてるフリーライターが、上の階の部屋から聞こえてくる男女の営みの声で興奮するのが高じて、図書館でナンパした太った女小百合と割り切ってセックスするが、上の部屋の住人が引っ越してしまい、こんなサエない女と、と思いながら小百合の体を求めてしまう話。第二話「Get Up,Stand Up」は、フリーライターの上に住んでいた男の話。彼の職業はキャバクラ嬢のスカウトで、スカウトした女は逃げないようにほとんど体の関係を持つようにしている。ある日いかにもいいなりになりそうな地味な女の子トモコをスカウトすると、いきなりノーパン・パブから働き始め、最終的にAVの親子ものに出ることまで承諾するが相手は実の母だった、という話。第三話「Light My Fire」では、トモコの母は死んだ義理の母を二階に放置し、家はゴミ屋敷と化しているが、ある日街角でスカウトされてAV業界に身を投じ、セックスに目覚めてしまう。一方、隣の家の郵便物をチェックするのが趣味だったが、ある時期から「犬がうるさいから火を付けてやる」というような手紙が入り始め、最後には放火現場に行き会わせてしまい、うちにも火をつけてくれれば黙ってあげると頼み込む話。第四話「Gimmie Shelter」では、近所の犬のうるささに閉口しているカラオケボックスの店員が、援助交際の元締めに君たちもやっていいから場所を貸してくれと頼まれ、常連の自称作家のハゲオヤジらや女子高生のたまり場のようになってしまい、最終的に警察に摘発される。近所の犬は苦情の手紙を何通出しても何も変らないので、最終通告をした上で家に放火しようとするが、失敗し、代わりに向かいのゴミ屋敷に放火するはめになる、という話。第五話「I Shall Be Released」では、文芸作家志望のポルノ作家が編集者に会うために渋谷に出たところ、誘いに乗り援助交際をする。その魅力の虜となった男は、毎日渋谷に通うようになるが、現場に警察が踏み込み、男は何とか逃げ出し、ホームレスの仲間になり身を隠す、という話。第六話「Good Vibrations」では、ポルノ作家のテープリライターをしている小百合は図書館で男を誘惑し、セックスし、それを盗撮してビデオ屋に売っている。ある日男がはち合わせになり、暴力の果てにセックス中絞め殺されそうになる。ビデオ店ではそれが50万で売れた。小百合はいい日の決め事としてステーキを食べに行く、という話。
登場人物がすべて関わっていて、あらすじを書くだけでもこれだけの量になってしまうという、高度な構成を持つ小説です。しもネタだらけなので、そういうのはちょっと、という人にはオススメできませんが、やっぱ奥田英朗さんは才能あるなあ、と改めて感じ入った小説でした。