”ばっきん”のブログ

日常生活中心のブログです。
平成28年9月から妻と息子、母の4人で暮らしています。

函館の生活保護② 申請意思確認が増加を加速

2011年03月04日 22時38分15秒 | 生活保護
平成19年に北九州で起こった生活保護相談者の餓死事件を端に、国においては、生活保護の実施要領を平成20年に改訂した事項がある。
それは、「申請意思の確認」により申請権を侵害するなという厚生労働省の指導だ。
簡単に説明すると、生活保護の相談者には、保護申請を希望するかどうかを必ず聞きなさい。申請する意思のある人には必ず申請用紙を交付しなさい。といった内容なのである。
ここで、一般の人は疑問に思うことが多いかもしれない。
なぜなら、普通役所などに提出する申請用紙は、カウンターなど誰でも自由に手に入れることができるものである。
しかし、生活保護に限っては、この申請用紙を渡すときは、申請受理やむなしの場合に限って行われてきたのである。
「もう少しよく考えてみたら」、「身内の人と相談したの?」、「もっと働く努力をしたら、仕事を選んじゃだめだよ」など、基本的に保護は受けさせない姿勢がとられてきたのである。これを口悪い人は「水際作戦」と呼んできたことは、この問題に詳しい人なら誰でも知っていることである。
函館でも、こうした申請意思の確認をせよと、保護受給を支援する団体・政党が市に詰め寄った事実がある。

だが、考えてもみてほしい。普通、保護相談に来た人に保護を申請する意思がありますかなどと聞くのは、ラーメン屋に来た人にラーメン食べますかと聞くより野暮な話だ。
こんな指導を各自治体にする厚生労働省はどういう官庁なのだろう。もちろん、真に困窮する人には、保護制度は必要なものである。しかし、これは例えが悪いが、一度手を染めたらやめられない麻薬のような性格も併せ持つ。それゆえ、地域の励ましが必要なのだが、そうした面をまっこうから否定するのが、支援団体の主張となっている。
(保護受給したことのある人は、困れば生活保護があると簡単に耐えることをやめる傾向がある。それゆえリピーターも多い。)

伝え聞く話では、函館でも相談件数に対し、実際申請に至った件数はその割合が平成19年以降多くなっているらしい。
函館のように不況都市であれば、保護申請の意思ありの人は多いはずである。そうした人にすべて申請させたら・・・・

前回記述した保護率はさらに跳び上がってしまうだろう。
権利だけを求め、義務を負わない風潮は、特に函館人に顕著なのである。

私はここで申請権の確保に対し、異を唱えているのではない。
しかし、励ましを失わせるまで環境を悪化させた政治の罪は大きいと思う。