まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
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引き出しの中のラブレター(試写会)

2009-10-04 00:00:00 | 日本映画(は~わ行)
素直に感動できた作品。

常盤貴子が演じるラジオパーソナリティ、久保田真生の番組に、函館から一通の手紙がやってくる。『おじいちゃんが父さんと仲が悪くて全然笑わないんだ』という手紙に真生は「笑わないんなら笑わせようよ」と軽く返す。この手紙の主、高校生の直樹(林遣都)の一家と真生の関わりを軸に、真生のラジオを聞く人たちの家族模様を映し出す。

真生の父親は2ヶ月前に亡くなったばかりだが、仕事を理由に真生は四十九日にも行かない。実は生前に仕事のことで大喧嘩していて、父とは絶縁状態だった真生。その亡くなった父が真生に手紙を書いていた。宛名まで書いていたのに結局投函できず、父の家にあった真生の荷物とともに妹から送られてくる。だけど父とのわだかまりが残っていて、その手紙の封を切れないまま引き出しにしまう真生。

ラジオ番組の『おじいちゃんを笑わせる』企画も、直樹から「もうやめて下さい」という手紙がきてしまう。何をしてしまったんだろう、と不安で申し訳なくて函館を訪れる真生は、直樹やおじいちゃん、漁師仲間と話をして、自分が軽く考えていたことを思い知る。

直樹の家の事情が気になる真生は、父親の気持ちを理解してみようと、引き出しの中にしまってあった自分の父からの手紙を読んでみる。そこにあったのは、家を飛び出して以来、顔も見ず話もしていない真生への、おめでとうという祝福と応援の言葉だった。きっと誰もが父のように言葉にできない想いを心の中にしまっているはず、と真生は『引き出しの中のラブレター』という番組企画を提案する。そして函館の直樹のおじいちゃんにも、番組に手紙を出してくれるようにお願いするのだが。。

家族って難しいよね。自分も大学のときから親と離れて暮らしているわけだけど、普段は電話なんて全然しなかったし、連絡するのはお正月やお盆で実家に行くときくらいだったかな。当時は「それで充分」と思っていたけれど、いざ父が病気で亡くなってしまうと、何にも父のこと知らなかったんじゃないかって思うんだよね。真生みたいに自分の夢を父に反対されたり応援されたりってこともなく、真剣に父と向き合ってなかったっていうか、本音を語ってなかったというか。

かといって、改めて母や兄と面と向かってじっくり話すっていうのも何となく気恥ずかしい気がするし、今は定期的に電話をしているから一歩前進でよしとしよう。

映画のストーリーはシンプルだけれど、岩尾のタクシードライバーや中島知子の未婚の母など、真生のラジオを聞く人たちのサブストーリーにも笑いあり、感動あり、意外な繋がりもあり、となかなか楽しませてもらいました。

常盤貴子の演技は上手でしたねー。真生を等身大に演じていました。そして番組が終わったときのスタジオの外にお客さんがいて拍手を送ってくれる場面、じーんときました。車に乗らなくなってまったくラジオを聞かなくなったけれど、伊東四郎が劇中で言うように、ラジオって不思議な魅力があるように思います。

エンドロールのときに後日譚の様子が流れるのも心にくい演出です。アクション映画ではよくメイキングが流れるけれど、後日譚もそれぞれのサブストーリーの顛末がしっかりとわかっていい感じでした。

公式サイトはこちら

9/30 有楽町よみうりホール
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