まてぃの徒然映画+雑記

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光 (河瀨直美監督)

2017-12-30 01:01:40 | 日本映画(は~わ行)

河瀨直美監督が『あん』に続いて永瀬正敏を主演に迎えて、ヒロインは水崎綾女、視覚障碍者向けの映画の音声ガイドをめぐる作品。

徐々に視力を失っていくカメラマン中森(永瀬正敏)は、美佐子(水崎綾女)が音声ガイドを担当している映画のモニターとして、美佐子に厳しい言葉をぶつける。それは徐々に視力が弱まり視野がなくなっていく自分への恐怖を苛立ちをぶつけているかのようだった。他のモニターからも指摘が相次ぎ、修正に試行錯誤する美佐子。

中森と街中で出くわし部屋へ案内されたとき、過去の作品を見て自分の幼少期の記憶と同じ場所があることに気付く。それは美佐子の故郷、今は認知症を患った母が一人で暮らす所の近くだった。中森と一緒にその場所へ行き、行方不明になった母親の大捜索を経て、美佐子は音声ガイドを仕上げ中森は全盲の生活を受容し始める。。。

視覚障碍者向けに映画の音声ガイドがある、ということを初めて知りました。映画という光と音の芸術、そもそもの始まりのサイレント映画の頃は音声が無かったから、映像情報の方がはるかに情報量が多いと思いますが、その画面を音声で解説するなんて、かなりチャレンジングなことだと思います。言葉の解説が無い映像だからこそ、人によって解釈が分かれたり感じ方が異なったり、というところがまた映画の魅力の一つだと思いますが、それを情景が目に浮かぶような言葉にしなければならない、という矛盾を感じるところもあります。

手間が相当掛かる割に対象者は少ないから、NPOやボランティアを頼まなければやっていけないだろうし、音声ガイドを作る映画もかなり厳選されそうです。子供向けから大人向け、邦画に洋画、著作権とかも大丈夫かなと思ったり。

モニターの方の指摘も厳しいものですが、見えない彼らはどんなところで良し悪しを判断しているのでしょうか。同じ作品を何回も見てイメージを固めているのかな。あるいは、目の見える人は画面に現れる表層的な事象ばかりに捉われて、実は目の見えない人の方が映画の世界を深く感じているのかもしれません。

美佐子の境遇は、地方では不思議ではないものでしょう。父親が行方不明で母親が認知症、母の看護や日々の世話は近所のおばさんに頼んで、自分は離れた所で働いている、というのは普通のうちに入ると思いますが、父が行方不明というところ中森と父が少しダブったのかもしれませんね。

中森の視力がだんだんとなくなる恐怖は、本人の焦燥感や苛立ちとなって表れていました。カメラマンといったら目が命、それを失ってなお生き続ける絶望感は計り知れません。カメラマンの後輩と居酒屋で飲んだ時は、どんな気分だったのでしょう。中森が宝のように持っている年代物のカメラを盗むろくでもない後輩ですが。

点字や白杖を覚えるのも大変なんじゃないか、と思います。生活するために必須なので身につけざるを得ないんでしょうが、やはり少しでも見えている間は視力に頼り、そうしたものを身につけようとはしない、というのも何となく分かる気がします。

写真を撮った場所での美佐子と中森のキスが何だか唐突な感じがしたなあ。

公式サイトはこちら

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