失踪日記
有名漫画家が、ある日煮詰まって締切をすっ飛ばし、ふらっと職場放棄してホームレス生活を始める。
ホームレス、そしてガス配管工、アル中での入院と3部にわかれていて、それぞれ本人とっては(家族にとっても)深刻な状況のはずなのに、客観的に見つめてユーモアすら感じさせる筆致で描いている。
ホームレス時代の凍死寸前の関節が軋む音やゴミあさりでの食料品集め、夏の暑さや冬の寒さ(ある朝起きたら一面 . . . 本文を読む
和歌山県太地町で行われているイルカ漁の隠し撮りを題材にして、アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞した映画。日本国内での公開には賛否両論あって激しい抗議運動もあり、公開されない可能性もありましたが、何とか公開されることになりました。そのあたりの善悪は自分の目で見なければ何も判断できない、ということで、公開からはだいぶ経ったけど観てきました。
映画では、立ち入り禁止区域の中をどうやって撮影す . . . 本文を読む
極北の地、南樺太で、終戦の玉音放送の後におこった真岡郵便局電話交換手の乙女たちの悲劇が、36年ぶりに銀幕に帰ってきた。1974年の公開を目前にして、ソ連の圧力により公開を阻まれた幻の映画。
第二次大戦末期、当時日本領だった南樺太は空襲におそわれる本土から疎開してくるほど、戦争の実感からは遠い場所だった。当然若い男性は徴兵されて、生活物資も厳しかったが、ときにはお汁粉を電話交換手の仲間たちと食べ . . . 本文を読む
ゴールデンスランバー
この映画の原作本を読みました。これを読むと、映画がかなり原作を忠実になぞっていることに驚きます。伊坂幸太郎作品の特徴であるしつこいまでの細かい描写をしっかり映像化しているところはすごいな、と思いました。
一方で、ショットガン警官の出番が映画ではちょっと少なくなってたかな、というイメージがあり(なんせ半年以上前に観たので細かいところは憶えていません)、20年後の後日譚 . . . 本文を読む
双旗鎮刀客
中国映画の傑作のひとつを、ようやく観ました。
荒野の寒村、双旗鎮に父の遺言である許婚を探しにきた少年剣士の孩哥。元剣客で足の悪い主人がやっている宿に住み込みで働き、そこの娘である好妹が許婚ではないかと考えるが、なかなか好妹は孩哥に心を許さない。しかし、日々ともに暮らしていく中で、誠実な孩哥に好妹も徐々に惹かれていき二人の気持ちは近づいていく。また孩哥の卓越した剣の腕前も判明する。 . . . 本文を読む
今年最初のライヴ、赤坂Graffitiで初めて聴いたときに『もう一度聴きたい!』と思ったシミズリエが主催する歌娘プロジェクト、その2010年夏歌娘に行ってきました。
出演者はシミズリエ、木下直子、鈴木友美、にゲストでchami。
一番手は木下直子で、ギターの洋平をサポートに迎えてキーボード弾き語り。一度赤坂Graffitiで聴いているから、イメージ通りの印象でした。この日は一瞬ちょっとぐずつ . . . 本文を読む
香港返還10周年記念映画だってさ。
タイトルが思いっきり『男児本色(インビジブル・ターゲット)』と被っているのは、やはり同時期に製作されたからか、それともインビジブルも香港返還10周年記念映画だったのかな?
ストーリーは、香港返還からの10年間を、梁詠[王其](ジジ・リョン)扮するキャリアウーマンを中心に描き出す。
香港返還の頃、中国経済は好調で返還特需もあり、返還のカウントダウンと記念パ . . . 本文を読む
ネオカオリの魅力炸裂!辻香織のあっと驚くような進化が伝わってきました。
詞を大事にする人たちを集めたLIRICAL GATHERINGというイベントの一番手は、ちひろ(鈴木千尋)。普段は仙台で活動していて、上京したのが3回目か4回目というバンド編成のボーカリストですが、音を聴いた時は正直「ステージに上がるのはちょっと早いんじゃないの?」という気持ちでした。
だけど、二番手ハセガワミヤコのMC . . . 本文を読む