まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
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2つ目の窓

2014-08-23 23:51:51 | 日本映画(は~わ行)

河瀬直美監督の最新作は、奄美大島を舞台にした作品。出演は村上虹郎、吉永淳、杉本哲太、松田美由紀など。

16歳の高校生、界人(村上虹郎)は、台風の過ぎた海で入れ墨の男の死体を見る。界人と付き合っている杏子(吉永淳)の母イサ(松田美由紀)は、ユタ神様として地元の人に慕われていたが、病気のため医者から余命宣告をされていた。死期が近いことを悟ったイサは、自宅で穏やかに死を迎えることを望む。

界人の両親は離婚していて、界人は今は母親の岬(渡辺真起子)と一緒に暮らしている。東京で彫り師をしてる父、篤(村上淳)に会いに行った界人は、奄美に帰ってきて母、岬の男関係がだらしない、となじる。台風の夜、岬は家から姿を消し、界人は嵐の中捜しまわるが。。。

河瀬監督の作品といえば、鮮やかな緑と光の撮り方が印象的ですが、この映画では海と空の光が美しい表情を見せます。水面に太陽の光が反射してキラキラと輝きながら凪いでいる様子、台風の接近に伴って荒い波が次々と白い波頭を崩していく様子など、さまざまな海の表情を自然なまま切り取っていて、うねる大波の撮影などはかなり危険だったんじゃないかと。

海と一緒に映し出される、あるいは太陽や月の光で雲の流れる様子がはっきりわかる空の姿も、自然を感じて目を瞠るものでした。いつもの河瀬映画で鮮やかな緑の光は、奄美に湿気が多いからでしょうか、少し靄がかかっていたような感じだったので、なおさら海面と空に目がいったのかもしれません。

杏子の両親役の杉本哲太と松田美由紀が良き父親であり母親であり、良き夫婦でした。杉本哲太が演じた杏子の父、徹は、娘への接し方も娘のボーイフレンドへの接し方も、妻への接し方もどれも素直で正直で、男性として憧れるところがあります。自然体で変に力みとかなく、そのままで頼りがいがありかっこよく自分の愛情をそのまま相手に伝えることができる、男も惚れる役柄です。松田美由紀もユタ神様という役柄らしく、どこかしら別世界の人のような雰囲気を醸し出していました。吉永淳は南国の美少女っぽいきりっとした顔立ちで、どことなく雰囲気が上原多香子に似ているかも。

映画の大きなテーマのひとつであろう揺れ動く界人の気持ちがいまいち掴めません。多感な年頃だし両親が離婚していてちょっと複雑な家庭環境というのはあるでしょう。とはいえ潔癖なところを見せたかと思えば「母さんは僕が守る!」と宣言したり、その切り換わりが早すぎやしないかと。

杏子が海の中を泳ぐシーンは着衣で一度、裸で界人と一緒に一度あったけど、気持ちよさそうに泳いでました。フィンをつけずに素足であれだけ進むのかな、と思いつつ、あー自分も潜りたい!

公式サイトはこちら

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