ベルリンファイル

ドイツ・ベルリンを舞台に、南北朝鮮双方の情報機関の激しい戦いの幕が開く。

北朝鮮とイスラム過激派の武器取引をロシアマフィアが仲介している、との情報を得た韓国情報部、隠しカメラで三者の密談を監視しながら突入の機会を窺っていたが、CIAとドイツ警察が先に現場に踏み込み、韓国情報部は北朝鮮諜報員のジョンソン（ハ・ジョンウ）を取り逃がす。

北朝鮮からベルリンに来た情報部監察官のミョンス（リュ・スンボム）、北朝鮮関係者が誰と食事していたか、という情報を韓国側に売っていたレストランのウェイトレスを始末して、大使館の通訳として働いているジョンソンの妻ジョンヒ（チョン・ジヒョン）や大使本人まで次々と嫌疑をかけて追い詰めていく。捜査で自宅を強襲されたジョンソンは近所のホテルに逃げ込んだが、イスラム過激派と手を組んだミョンスは妻ジョンヒを捕え、ジョンソンを北朝鮮情報部の隠れ家に呼び出す。

ジョンウは、宿敵である韓国情報部のジンス（ハン・ソッキュ）と協力し、ミョンスがいる小屋に向かう。。。

とにかく冒頭からノンストップアクションの連続！迷路のような地下通路で追いつ追われつの追跡劇は緊張感があり、コインランドリーでジンスとよく顔を合わせていたCIAのエージェントがあっさりと殺されるなど、意外性もばっちりです。あらゆるところに隠しマイクが仕掛けられていて、ミョンスがイスラム過激派を騙した証拠が録音されているというのも、元CIA職員スノーデンの盗聴暴露があった後では当たり前のように思えます。

北と南の争いが当事者同士だけでなく、ベルリンという東西の接点、スパイ活動の盛んな地を舞台にしているため、半島での南北対立とは一線を画して趣向を凝らした出来になっています。

ただし、韓国映画ならではの暴力的に痛い演出はもちろん抜かりなく入っていて、くんずほぐれずでジョンソンとミョンスが組み合い相手の身体を地面に投げつける場面では、投げつける場所がわざわざゴツゴツした岩の上だったり、ジョンソンがアパートから脱出するときに窓から出てジョンヒが掴まった雨樋みたいなものが外れかけてぐらぐらしたり。その後ジョンソンが窓から真っ逆さまに落ちる様子もかなり痛そうでした。

北朝鮮の在外公館ではある程度裕福な暮らしができるし、自由な西側の空気に触れられるから、私腹を肥やしたり亡命したりする輩も多いのでしょう。監察官が定期的に海外拠点を回るのは致し方ないとしても、監察官自体が悪意を持っていたらやりたい放題でおいしいじゃん、と思います。

ラストでロシアのハバロフスクへ向かうジョンソンは、陸路で北朝鮮へ潜入して妻ジョンヒの復讐を狙うのでしょうか。その先が気になります。

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7/14　ヒューマントラストシネマ渋谷


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