えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

母と娘、どう向き合うか

2016-10-25 09:38:38 | 歌う

              母と娘、どう向き合うか

 婦人公論11/8号 本日発売 特集 ♦ 母と娘、年を重ねてどう向き合う

      吉行和子 あぐりさんは、私にとっていまだに謎の女性です
      読者アンケート「長生き」して」から「死んでくれ」まで母への本音
      伊藤比呂美×信田さよこ 介護うつに娘の恋愛
      木村多江 父の死から10年、ようやく母の苦悩がわかった
      ルポ 強かった親が老いて。娘は過去を許せるか(関係が逆転する)

 母と娘の関係はややこしいなあと私は思う。一人娘か姉妹がいる場合、独身か既婚かでもその関係は異なる。娘を溺愛する母親に世間は批判的だが、母親を大切にする娘には好意的だ。だから娘は他人に母親のことをトヤカク言えない。非常識、自己中心的な母でも庇う。父親や兄弟姉妹についての不満は気軽に言える。しかし母親は自分を産み育ててくれる恩人だ。自分は母の分身なのだという思いも母親を庇い、甘やかしてしまうのか。

                 母という女 七首     松井多絵子 

     追い越して振りむけばまるで違うひと、母はあの春この世を去った

     あと五年生きていたなら母は見たわが晩春のすばやく去るを

     紫陽花の葉に水羊羹をのせるとき和服の母があの世より来る

     迷いつつ買わざりし『オモニ』という本の重みの残る手を吊革に

     母は子が重荷であろう子も母が重荷であろう、雨は止まない

     揚げ茄子のゴマ味噌和えができあがる母の味とは異なる味の

     手抜きしてつくる料理を食べながら母より長くこの世に居すわる

                    ㊟ オモニ 韓国語で「母」    

   アザラシの母がその子と暮らすのは生後半月、そして別れるそうです

                     10月25日  松井多絵子   


大島史洋の『河野裕子論』

2016-10-24 14:19:39 | 歌う

            大島史洋の『河野裕子論』

 ♥ 手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が

 こんな切ない歌を残して2010年8月に河野裕子は64歳で世を去った。与謝野晶子も亡くなくなったのは64歳、しかし河野裕子の死は若すぎると惜しまれるのは半世紀も時代が異なる為か。平均寿命より20年以上も早く、老人になる前の死、河野裕子の無念をおもう。

 大島史洋『河野裕子論』が現代短歌社から刊行された。全15冊の歌集ごとに章立てし、歌を読み解く。「彼女の人生や生活は追わず、あくまで歌そのものを論じている」のである。河野の夫が優秀な科学者であり歌人としても活躍しているので、二人の恋の歌や私生活に私たちの関心が傾きがちだが、大島史洋と共に「河野裕子短歌作品」の世界を歩くのは秋こそよけれ、だろう、コスモスの花から秋が始まり河野裕子の歌が始まる。

            最後の最後まで 五首     松井多絵子

      コスモスの花々ひらきいつよりかこの公園にブランコあらぬ

      滑るのは夕べの風のみ、滑る子の一人もいない木の滑り台

      落葉を掃き寄せ掬いつつおもう最後の最後まで詠みしひと

      ニワトリの卵を割れば月が出るいつかどこかで見たような月

      二等米でも炊き立てはおいしくて河野裕子の卵かけごはんを

                       歌集『厚着の王さま』より

                

                            10月24日  松井多絵子


エベレスト登頂の田部井淳子死去

2016-10-23 09:45:56 | 歌う

          エベレスト登頂の田部井順子死去

 ▲ 山が動くはずはないのに動いてる車窓の妙義山の凹凸  松井多絵子

 車窓から眺める山の名を私はほとんど知らない。頂上が冠雪していないときは彼方の富士山だって分かりにくい。しかし妙義山はすぐ分かる。最高峰は1103m、高くないが凹凸の著しい日本3大奇山のひとつ。車窓のこの山は私と共に走る巨大な獣になる。

 本日の朝刊に「田部井淳子さん死去 77歳」 女性世界初エベレスト登頂 腹膜ガンで死
去とは痛ましい。滝桜で知られる福島三春町に生まれ、昭和女子大を卒業後、社会人の山岳会に入る。女子登攀クラブを設立。1975年✿エベレスト日本女子登山隊の副隊長兼登攀隊長としてエベレストに女性では史上初めて登頂に成功している。

 田部井淳子は夫と共に谷川岳で腕を磨いた。「明るい人で誰とでも友達になる、夫妻の山小屋にみんなで集まってわいわい騒いだり」。「人が行かない山に登ろうと、粘り強くあきらめない精神力はすごかった」。体力+精神力でエベレスト登頂に成功したと私は思う。

 「癌になってからも『世界各国の最高峰を登るんだ』と登山を続けていた。いつも前向きに生きた人」。「心遣いができる一方、自分の信念を貫く芯の強い人だった」と仲間たちから田部井淳子の死を惜しまれている。

 何年か前に✿「山ガール」 という言葉をよく聞いた。若い女性の登山ブーム、でも私は山ガールのグループを見ていない。登山用の衣服をファッションにして売ろうとしたメーカー
の作戦だったのか。服だけでなく登山帽、リュックや登山靴などを身につけた若い女たちを「山ガール」と呼ぶ。快い調べの言葉だ。「山ガール」とは。でもアルバイトで忙しい女子学生
や、残業で疲れている会社ガールたちは、休日に登山する体力がないかもしれない。あるいは「山ガール・ファッション」は街歩きのファッションなのか。トレーナーを着てリュックを背負って近隣の街を歩いている私こそ高齢の山ガールかもしれない。

               10月23日  松井多絵子

 


もっと欲しい女性指導者

2016-10-22 09:25:06 | 歌う

            もっと欲しい女性指導者

♠ 女が強くなったのではない男らが仔猫のようになっただけです  松井多絵子

 2週間後には、アメリカに初の女性大統領が生まれるかもしれない。日本では初の女性東京都知事がニュースの主役になっている。本日☀be の調査では84%が女性指導者はもっと必要と応えている。男性回答者の79%が女性指導者を求めているのだ。強そうなことを言いながら猫に鈴をつけることのできない臆病な男の多いこと。「自分ファースト」の男のリーダーはもうウンザリなのは、男たちも同じらしい。

 「女性指導者」をもっと必要と応えた84%の理由は ①女性も活躍しないと社会を維持できない、②男女平等の意識が高まる ③発想に柔軟性がある ④細かなところまで気がつく
⑤男性中心の社会にうんざり 「女性指導者」に反対16%の理由は①子育てなどの負担がより大きい ②発想の柔軟性に乏しい ③リーダーシップに乏しい ④決断力に乏しい ⑤女性指導者の数は現状でいい。

 身近の女性指導者は ♦勤務先の管理職 ♦スポーツや文化などの教室のリーダー
♦選挙区選出の国会議員や地方議員 ♦居住地の知事や市区町村長 ♦勤務先の役員など

 好きな指導者(日本)1位、土井たか子 3位 小池百合子 5位 井村雅代 6位 蓮舫
8位 平塚らいてう 10位 野田聖子  ※ ヒラリー・クリントンは9位

 ヒラリー・クリントンはメディアに出る頻度が高いにもかかわらず、意外に人気がない。東京都知事の小池百合子は「男性知事がずっとなあなあでやってきたことを刷新してくれそう」
「頭の回転が速く、考え方がぶれず、説明がわかりやすい」 私も同感である。

    都庁舎を覆いていたる群雲がかすかに動く 何処へゆくのか 

                    10月22日  松井多絵子

 

 

 

 


梅内美華子の「うたことば」

2016-10-21 09:11:59 | 歌う

             梅内美華子の「うたことば」

 俳句人口と短歌人口は桁違いだといわれる。旅先で手帳に書き込んでいるのは俳人たちが多い。「短歌のほうが好きだけど、助動詞など文法がヤヤコシイから俳句を選んだ」という俳人もいる。私は短歌は国語ではないと決めつけて気軽に始めた。NHK短歌11月号✿「うたことば」を梅内美華子が指導している。

 ♦ のがれる 「逃れる・遁れる」 文語では「のがる」。危険や不都合などからにげる。負担、不幸などからまぬがれる 私の歌メモにこんな歌が記されている。  

        日盛りの急坂道にきしときに今日の「歩こう会」より逃れる

 ♦ のこる・のこり 「残る・遺る・残り」 失われたりしないで保存されていること。全体のうちの一部がなくならないでいること。立ち去ったりしたあとも、引き続き存在すること。後世に伝わること。

         線香は燃え尽き煙もきえ失せて墓前にわれは残りていたり

 ♦ のぞく・のぞき 「覗く・覗き」 すき間や穴からこっそりと見ること。高い所から下を見ること ちょっと立ち寄ること。望遠鏡、顕微鏡などで見ること。

         われの見るケアーホームのDMをほろ酔う夫が覗いていたり

 ♦ のどか 「長閑」 外界の状態が穏やかで気持ちよいようなさま。心にかかることもなく
落ち着いてのんびりとしているさま。

         ほんわかと雲のひろがる三輪山の彼方に長閑なわれの未来が

 

   梅内美華子先生   私のこの四首の言葉の使い方は適切でしょうか。

                       10月21日  松井多絵子