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エベレスト登頂の田部井淳子死去

2016-10-23 09:45:56 | 歌う

          エベレスト登頂の田部井順子死去

 ▲ 山が動くはずはないのに動いてる車窓の妙義山の凹凸  松井多絵子

 車窓から眺める山の名を私はほとんど知らない。頂上が冠雪していないときは彼方の富士山だって分かりにくい。しかし妙義山はすぐ分かる。最高峰は1103m、高くないが凹凸の著しい日本3大奇山のひとつ。車窓のこの山は私と共に走る巨大な獣になる。

 本日の朝刊に「田部井淳子さん死去 77歳」 女性世界初エベレスト登頂 腹膜ガンで死
去とは痛ましい。滝桜で知られる福島三春町に生まれ、昭和女子大を卒業後、社会人の山岳会に入る。女子登攀クラブを設立。1975年✿エベレスト日本女子登山隊の副隊長兼登攀隊長としてエベレストに女性では史上初めて登頂に成功している。

 田部井淳子は夫と共に谷川岳で腕を磨いた。「明るい人で誰とでも友達になる、夫妻の山小屋にみんなで集まってわいわい騒いだり」。「人が行かない山に登ろうと、粘り強くあきらめない精神力はすごかった」。体力+精神力でエベレスト登頂に成功したと私は思う。

 「癌になってからも『世界各国の最高峰を登るんだ』と登山を続けていた。いつも前向きに生きた人」。「心遣いができる一方、自分の信念を貫く芯の強い人だった」と仲間たちから田部井淳子の死を惜しまれている。

 何年か前に✿「山ガール」 という言葉をよく聞いた。若い女性の登山ブーム、でも私は山ガールのグループを見ていない。登山用の衣服をファッションにして売ろうとしたメーカー
の作戦だったのか。服だけでなく登山帽、リュックや登山靴などを身につけた若い女たちを「山ガール」と呼ぶ。快い調べの言葉だ。「山ガール」とは。でもアルバイトで忙しい女子学生
や、残業で疲れている会社ガールたちは、休日に登山する体力がないかもしれない。あるいは「山ガール・ファッション」は街歩きのファッションなのか。トレーナーを着てリュックを背負って近隣の街を歩いている私こそ高齢の山ガールかもしれない。

               10月23日  松井多絵子