えくぼ

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目出度いですよ92歳

2016-10-18 09:16:34 | 歌う

              目出度いですよ92歳

 町の音はいろいろ入り混じっている方がいい。うるさいくらの方がいい。それは我々の生活に活気がある証拠だからだ。 佐藤愛子 随筆集「九十歳。何がめでたい」から。    

 10月17日☀「折々のことば」で鷲田清一は佐藤愛子の随筆から引用し次のように、、。

 子どもは泣いたり叫んだり歌ったり、とにかくにぎやか。その喧噪をうるさいと怒る人がいれば、「天使の合唱」にいのちの熱を感じ温まる人もいる。がやがやした人いきれを不快に思う人がいる一方で、作家は、「黙々」と物を買い、支払い、袋に詰めて去るスーパーの静けさを、逆に不気味に思う。

 作家の佐藤愛子は1923年11月5日に生まれた。もうじき93歳になる。この不可解な人間の世界を93年も生きてきたとはスゴイ。しかもまだ元気で執筆している。出版不況のいま彼女の著書 「人間の煩悩」 がベストセラー。

 ◆ 「人間の煩悩」という本の広告は新聞の3分の1のすぺース。腹の底から笑っている佐藤愛子のハガキ大写真は私を見ている。「悩みの量こそが人間の深さ」だそうである。広告には第1章から第6章までの目次?が載っている。これを見ただけで、この本を読んだような気分になる。

 ♦ 「人間も死んだらゴミだ」 ♦ この世は不平等 ♦ 複雑な世を生きぬくコツ

 ♦ 人の値うちは物の捨て方に現れる ♦ 劣等感は必要な「毒」

 ♦ 死んでみなされ、そしたらわかる! ♦ 欲望が涸れると、らくになる

 広告の29の♦のなかから7つの♦を選んだ。私の古い記憶だが佐藤愛子の夫は事業に失敗し多額の借金を彼女に背負わせて離婚した。彼女はそれを小説に書きベストセラーに、転んでもタダでは起きない逞しい女である。失敗を成功に変えてしまう。魔法使いの女。

      「だから人生は面白い」そうである。佐藤愛子の場合は。

              10月18日  松井多絵子