★★ 「第四回角川全国短歌大賞のこと」 ★★
投稿から短歌をはじめた私は入選歌はつねに興味があります。本格的に短歌に関わっている歌人の作品に比べて表現は拙くても、発想のおもしろい作品をよく見かけます。第四回角川全国短歌大賞が「短歌4月号」に発表されています。昨年9月1日~11月30日に応募された作品です。
★★★ 大賞 (賞状・副賞十万円・記念品)
<自由題> 青いまま落ちるどんぐり初めからそういう役であるかのように
東京都 若草のみち
※熟さないまま落ちたどんぐりは目的を達成することなく脱落した若い人たちを暗示しているのでしょうか。思わせぶりな下句がこの歌を魅力的にしていますね。
<題詠> 老いの掌にまだある力たぐりつつ朝の光のなかに米研ぐ
群馬県 桜井君代
※朝になると、よく晴れた朝は特に元気になる老人、わたしもその一人です。「まだある力たぐりつつ」がこの一首を盛り上げていますね。
★★ 準 賞(賞状・副賞三万円)
<自由題>声もたぬ魚のように流れにも逆らいもせず会議終わりぬ
岐阜県 伊藤かえこ
サボテンと話が合ふと言ひし子よ今は都会に寡黙に暮す
長野県 近藤久美子
※伊藤かえこさん。「声もたぬ魚」がこの歌を成功させましたね。
近藤久美子さん。話せばわかってもらえそうな感じがしますね。サボテンは。
<題詠>天命に余白あるらし道すがら母の紋絽の桔梗に出逢ふ
青森県 小沼澄子
※この歌はむずかしいので宿題にさせてください。 松井多絵子