えくぼ

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朝日歌壇あれこれ⑭

2013-03-04 20:49:31 | 歌う

             「朝日歌壇3月4日」

 今日は4人の選者が第二席に採りあげていられる歌を私も採りあげることにする。

  馬場あき子選

❤雪解の薄ら日の射す田圃道田螺の穴の鳴りて春なれ  (長野県) 沓掛喜久男

 田螺(たにし)の穴を私は知らない。ましてその穴が鳴るとは。しかし春を待ち焦がれる作者の気持ちが伝わってくる。春よ来い、はやく来い。春よさっさとやって来い。

  佐佐木幸綱選

❤モンローと同い年かとこの義母の曲がった腰に膏薬当てぬ  (東京都) 菅谷敏子

 マリリン・モンローは生きていたら何歳だろうか。義母の曲がった腰を見ながら、あのモンローの腰をふりながら歩く映像を思い出す。面白い、そして淋しい歌ですね。

  高野公彦選

❤船べりに六杯連なり上がりくる肉厚美味なる石花海のイカ  (中央市) 前田良一

石花海は「せのうみ」と読むらしい。高野選者はこの歌を読まれて、一杯やりたいなあとおもわれたであろう。歌が酒を誘い食欲をそそる、おいしい歌である。、

  永田和宏選

❤素足にて歩きしモノの足跡が深くつづける朝の雪道  (岩国市) 木村桂子

 にんげん以外の生きものは、雪道も素足で歩かなければならない。雪の朝の足跡、しかも深い足跡、どんな動物かを読者に想像させる。

※朝日歌壇を中退した松井多絵子が生意気な「評」を書きました。すみません。