ARUKI 「あるきだす言葉たち」 DASU
はじめまして、早稲田短歌会の山階基さん、昨日の朝日新聞夕刊の「あるきだす言葉たち」を読みました。写真のアナタはのんきそうな、面白そうな方に見えますので話かけたくなりました。
★手を引いて抱き寄すごとく真新しい止まれの文字に雪降りかかる
※ 十首詠のはじめの歌、「真新しい文字」は新しい道路標識ですね。あるきだしたアナタに「止まれ」とは。止まりたくないアナタに雪が「止れ」の文字を見えにくくしている。歩き続けてください。
★猫と棲んだことなどはなく喜びかたも嫌がりかたもよくわからない
※猫を飼うのではなく「猫と棲む」とは。なるほど「あるきだす言葉」ですね。
★ジャムの蓋かぽんと開いてこれまでの忘れるはずのことよみがえる
※ジャムの壜を開けたのではなく蓋が自らかぽんと開いた、閉じ込められていたジャムが外へ出たくなったのでしょう。
★信号機あれどかそけき十字路に緑と赤の影を伸ばした
※進めと止まれの信号の緑と赤が、十字路に絵を描き詩を書いて、オシャレな歌ですね。
★待つあひだ読んでゐようと手に取ってめくり終はつてしまふ気がする
※この本はアナタには魅力がないのでしょう。私の本かしら。「松井多絵子の本?そんなの知らない」ですか。アナタのことをご存知ない方に、私が昨日知ったばかりの情報を。
❤ やましな・もとい 1991年、広島生まれ。早稲田大生。早稲田短歌会所属。
同人誌「はならび」同人。