えくぼ

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朝日歌壇⑯~銅メダルの歌

2013-03-18 14:18:55 | 歌う

         DOU「朝日歌壇⑯~3月18日~銅メダルの歌」DOU

 3月16日のフィギュァ世界選手権で銅メダルを獲得した浅田真央にちなみ、本日は各選者の第三席を取り上げてみます。

   (高野公彦選)

★スメタナの座像の前の一団は津軽弁なり欹てて聴く  (ポーランド) 川田芳胡

※はるばるポーランドからの投稿歌である。異郷に暮らす川田さんは日本からの観光客が身内のように思えるのだろう。まして津軽弁、故郷の言葉なのか。

   (永田和宏選)

★入院の日取り決まりし妻はまずゴミを出す日をメモに記せり  (加須市) 仲村梵良

※入院が決まり家を留守にする妻が夫のためにゴミだしの日をメモする。それを痛々しく思う夫
仲村さん、奥さんが退院なさり、元気になられてもゴミだし位はご自分でなさってください。

   (馬場あき子選)

★九十四歳ICUより生還しカーテン揺らす微風に遇う  (鎌倉市) 伊藤長門

※<ICUより生還>が気持ちがいい。楽しいい。カーテンまでゆれて喜んでくれる。九十四歳の
春をのびのびとお過ごしください。鎌倉の桜を、新緑を眺めながら。

   (佐佐木幸綱選)

★薪風呂を焚きし昔に戻らんかセシウムの無き夕焼け恋いつつ (福島県) 吾妻芳子

※古い映画のシーンを思い出す。薪風呂に入っている父親と焚いている息子が話し合う。お互いに見えないので話にくいことを話せる。下句の「セシウムの無き夕焼け」を恋う吾妻さんは
、夕焼けをただ美しいとながめてはいられない。福島県の方である。   松井多絵子