「太宰治賞のこと」
☂雨の夜の鏡の奥のわたくしは太宰治のように頬杖 (松井多絵子)
ことしの6月、普通の主婦の岩城けいさんが太宰治賞を受賞した。はじめて書いた『さようなら、オレンジ』という小説はオーストラリアが舞台。アフリカ系移民の女性が英語に磨きをかけて自立してゆく物語である。作者の岩城さんはオーストラリアに1人で移住。2度の留学後に現地で就職、日本人と結婚、今は2人の子のママである
子供が幼稚園に入り、アフリカ系移民の母親たちを知り彼女たちのことを日本語で書いた。
「国や言葉が違っても人間はみな同じ」。という思いを小説に書いたのであった。
10月15日の朝日夕刊でこの記事を読み、太宰治賞に応募したくなった方、今からでも間に合いますよ。今年の12月10日が締め切りですから。
★★ 「太宰治賞」は1964年筑摩書房が創設した小説の新人賞。しかし1978年、筑摩書房は会社更生法の適用を受け、「太宰治賞」も第14回で中断。1998年、太宰治没後50年を機に、筑摩書房と三鷹市の共同主催の形で復活した。
第30回太宰治賞作品募集
◆受賞 1篇(他に優秀作が選ばれることあり) ※ 短編、長編どちらでもよい。
◆締切 2013年12月10日(消印有効)
発表 受賞作(優秀作)は2014年5月にPR「ちくま」と筑摩書房ホーム頁
選考委員 加藤典洋、荒川洋次、小川洋子、三浦しをん
※ 賞金は100万円だそうです!
☂読まれないとき本棚の本はみな直立不動、太宰治も
10月16日 松井多絵子